第40話

~大切な人~
トビ達に別れを告げ、校門前まで走った。


私、汗臭くないかな?
あー走ってるから髪の毛ぐちゃぐちゃだぁ


岩ちゃんの前では女の子をなるべく出していたい。
じゃないとそんなんじゃ妹どころか弟扱いされてしまうんじゃないかと思っているからだ。




あなた 「お、またせ。」

岩泉 「おう…帰るか」

あなた 「うん…」



やっぱり、お兄ちゃんはそこにはいなかった。
なぜ、私を迎えに来たのか不思議で私の斜め前を歩いている岩ちゃんをずっと見ていた。



岩泉 「馬鹿兄貴か…?」

あなた 「っ…う、うん。1人なんだなーって思って。」

岩泉 「甥っ子の付き添いだと」

あなた 「あ、たけるくんの…」



やっと、理解した私は小走りで岩ちゃんの横に行き隣を歩いた。



この間のことを聞こうとすると喉が詰まって声が出ない。
お互い話さずに沈黙が続く。


この重たい空気を変えたのは岩ちゃんの方だった。




岩泉 「電話の…ことなんだけどさ」



まさかの、私が聞きたかった事で驚いた。



あなた 「う、うん」

岩泉 「俺ってさ、あなたにとってどんな存在なのかなって…突然思い始めてさ」



さっきよりも喉の奥が詰まって苦しくなってく。

言おうか言わまいか。




゙好きな人゙



振られて、

この関係が崩れたら…?
今までみたく話せなくなったら…?





それが怖くて私が口にした言葉は、





あなた 「…゙大切な人゙かな」


岩泉 「…そうか」






あながち間違ってない。

私がもし岩ちゃんの事が好きじゃなくても、私にとって岩ちゃんは ゙大切な人゙だ。




でも…




今の自分の気持ちを言えなかった私に少し苛立った。






岩泉 「俺、お前の兄ちゃん…最後までやり通すから。」

あなた 「っ……うん。」






やっぱり、私は岩ちゃんの彼女にはなれないのだろうか。




悔しくて悔しくて、岩ちゃんの隣から少し下がって前も見れずに帰り道を歩いた。