第22話

~俺は第2の兄貴だ~
岩泉 side





最近、あなたの態度が冷たい気がする。

前は実の兄の及川だけに冷たかった。

でも、俺にも冷たくなってきているのは気のせいだろうか…?



昔は、 「岩ちゃ〜んっ」 なんて言って俺んとこに笑顔で走って来て、よく転んでたっけか



小学校低学年くらいまでは転んだり、犬に吠えられたりしたらすぐに泣く子だった。



あー及川の妹だ…と、つくづく思わされる。



でも、及川は決して弱くない。逆に俺は強いと思う…だから、その妹なんだから弱いわけがない。




あいつは、他人にはあまり強い言葉は言えない。
あ、俺と及川は別な。もしかしたら、影山も。


言い返せないからこそ心の奥底に

喜び以外の…不満、不安、苛立ちなどのマイナスになる感情は溜め込む事が多かった。



前はよく泣いて、嫌なほど何回も報告しに来た。


でも、俺たちが中学に入り、ただ必死に勝つための努力をし続けている時…あいつは、あなたは、きっと…我慢が当たり前になってた。



それが悪いって訳じゃない。我慢は必要だ。

だが、あなたの我慢は誰よりも固かった。





~及川&岩泉 中2・あなた 小6~





3人で映画を観に行くことになり、駅まで歩いていた。




あなた 「…」


及川 「どうしたの?」


あなた 「…なんでもない」


及川 「そう?」





いつもより静か…ただそう思っていた。





及川 「はぁ…面白かったねぇ!!」

岩泉 「あのアクション凄かったなっ!なっ!あなた!」

あなた 「…うん」




なんか、変な気はしていた。

けど、それがなんなのかは俺と及川はわからなかった。






次の日





及川 「岩ちゃんっ!!」




及川がいつもより大きな声で家の前で叫んでいるので、何事かとすぐに外に出た。

その理由は…





及川 「あなたが…あなたが…!!」



岩泉 「え…」





あなたが倒れた。






ストレス、疲労…それだけじゃない。
あいつは、勉強が出来て運動もできる。

きっと、頑張りすぎのせい…だろう。




そんなことよりも、俺は自分が頼られなかったということに腹が立って、仕方がなかった。



あの時、顔色が悪かったんじゃないか…とか
いつもみたく、しつこく聞いとけば良かったんじゃないかとか…。




俺たちが熱くなってる時に周りが見えなくなるのは、あなたが1番知っている。



だからこそ、頼れなかった…いや、頼らなかったんだ。







及川 「辛かったらすぐ言う!!いい!?」

岩泉 「頼ることは大事なことだ」


あれだけ俺と及川が言ったって、あなたが中3の頃に何があったのかもこの間まで何も知らなかった。







せめて、気づいてやれれば…と今でも思う。









だから、最近冷たいのは無理してるんじゃないかと不安になってくる。


…本物の兄貴じゃねーけど、何年の付き合いだと思ってるんだ。





最後まで・ ・ ・ ・第2の兄貴で居させてくれ…。