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2018/03/04

第5話

一年③
「…………」

遼介が私を凝視したままフリーズした。

長い沈黙になりそうな予感がし、私は焦り気味に喋る。

「いや、無理にとは言わないんだけど!なんか待ってくれてるのかなって思って、あ、嫌なら断っ――」

言い終える前に、遼介に抱きしめられた。

「――嫌なわけないだろ」

耳元で響く低音。ドキンッ、と一際大きく心臓が鳴った。

「……お前から言ってくれるなんて思ってなかったから、嬉しすぎるくらいだ」

囁くような抑えられた声と、僅かな微笑みの気配を感じる。

……言って、よかったな。

嬉しさに口元が緩んだ。



◇◆◇



“その日”が来た。

遼介は高校生だが一人暮らしをしていて、私達の他に人はいない。正真正銘、二人きり。

「……本当に、いいんだな」

「……うん」

私が頷いたのを合図に、遼介は私をベッドに押し倒した。

音もなくベッドに体が沈み込む。

「……随分優しい押し倒し方じゃん」

「うるせぇ、俺だって初めてなんだよ」

「へぇ」

普通に返そうと思ったのに、感情を隠しきれず声が弾んでしまった。

……もう、笑うな。

「嬉しいのか?」

「うるさい」

「素直じゃねぇな」

それには答えずふいっと顔を背けると、すぐに元に戻されてキスされた。

少し驚いた後、私は目を閉じて応じた。

だんだん服を脱がされていき、同時に不安が姿を現してくる。

「大丈夫だ」

私の心を読んだかのようなタイミングで遼介が言った。

そして、甘い微笑みをくれた。

「好きだ。あなた」

……自分だって初めてのくせに、かっこつけるんだよね。


でも、不安……どっか飛んでったな。


「うん。私も好き、遼介」

普段は見せないような笑顔で、目の前の端正な顔にキスをした。

付き合って一年の夜は、特別長くて甘かった。