第6話

卒業①
2,096
2018/03/05 13:26
3月1日。

今日、私は聖蘭(せいらん)高校を卒業する。

「あなたーおっはよー!」

いきなり後ろから抱きつかれるように体当たりされて、「うわっ」と声が出る。

「変わんないねぇ。もうちょっと驚き方に色気あってもいいんじゃないの?」

「もうちょっと落ち着きあってもいいんじゃないの?みう」

「あははっそうかもねー!」

からからと楽しそうに笑うみう。

年々うるさくなってる気がするのは私だけかな。

「おはよう二人ともー……」

「おはよう由麻」

「おはよー!」

下駄箱で靴を履き替えている私達のところに、眠そうな由麻が小走りでやってきた。

「卒業式だねー……」

「そうだね」

「あなたが転校してきてもう三年なのかー!はっやいなー」

「……確かに」

「懐かしいね」

由麻が遠くを見るような目をした。

もう三年。過ぎてみれば、あっという間だった。

なんとなくしみじみした気持ちになる。

「ま、あたしらの友情はここで終わるもんじゃないから!卒業してもまた遊ぼーよ!」

ニコッと明るくみうが笑った。みうは、こういう雰囲気は性に合わないからだろう。

私と由麻も、みうにならって笑顔を浮かべた。

「うん」

「もちろんだよ!」

三人で笑い合いながら3-1の扉を開け、中に入った。

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