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2018/03/03

第4話

一年②
「漫画になくても私の記憶にはある!つまりドラマのセリフだ!!そしてそう言ったら100パーセント三上くんは」

「わかったわかったから全部言わないで」

「あなたちゃん顔赤い!かわいい」

由麻にふふっと笑われたが、私は言い返す気にもなれなかった。

私こんなキャラじゃなかったのに……。

「まぁおふざけは置いといて、あなた、多分三上くんの方は待ってるよ。いろいろ我慢してるんじゃない?三上くん、優しいし」

「優しいのは知って……る……けど」

言っている途中で、“言わされた”ことに気付いた。したり顔のみうにイラッとした。


……でも、確かに、待ってくれてるのかもしれない。


思えばそれらしい行動はあった。一回だけだけど、押し倒されたこともある。びっくりしてたらすぐどいてくれて、悪い、って謝られた。

「そういうこと」を考えたこともなかった。私――バカだ。

「なんて言えば伝わる?」

「おぉ!!むふふ、それはもちろん、『あなたとひと「由麻ー、教えて」

「えっとね……」

文句を垂れるみうを二人で無視し、私は由麻から『その言葉』を得た。



◇◆◇



帰り道。

私は隣を歩く遼介の顔を見上げた。

「なんだ?」

「……なんでもない」

無意識に俯く。すると、遼介が足を止めて私を引き寄せた。

「言え。なんでもなくても俺は知りたい」

私の顔を両手で包んで上を向かせ、しっかりと目を合わせて遼介は言った。

それがどうにもかっこよくて、目を離したくないのに逸らしたくて……結局逸らしてしまった。

遼介が不満そうな表情をしたので、私は少し早く口を動かした。

「もうすぐ一年じゃん?付き合って」

「あぁ、そうだな」

「それで……なんだけど」

声が震えそうになる。もしかしたら震えていたかもしれない。

けれど、言い出す怖さも、不安も、恥ずかしさも、逃げる理由にはならない。

私はぎゅっと拳を強く握って、綺麗な漆黒の瞳を、射抜くように見つめた。



「……“初めて”、もらってくれる?」