第10話

それは突然に
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2021/12/28 23:23
第9話「それは突然に」


空)やったー!!

里津花から一本取ることが出来た空は
喜びを噛み締めていた

宗)やったな、空。
空)うん!
里)こんなに早く取られるとは思わなかったよ。
空)里津花さんもありがとうございます!
里)空の努力の成果だよ。

柔らかな空気を打ち破るかのように
勢いよく扉が開いた

バァン!

剣)大変だ!最前線に大量のリグレットが!
空)えっ!?
剣)しかも、
上位種が何体もいるかもしれないって..
宗)一体でも厄介なのにそれが数体?
里)これは大変だね。

里津花の表情は言葉とは裏腹に笑っていて

空)..里津花、さん?
里)空、俺は行くよ。(満面の笑顔で)
空)行くって...どこに?
里)俺の居場所に。

何処とは聞かなかった

宗)3軍はどうするんです?
里)もちろんちゃんと考えてるよ、空。
空)えっ?

空へと向き直る里津花
次の瞬間、思いもよらない事を話し始める

里)衛藤昂輝、数寄川零、世良里津花
決戦3名の連盟による強権を発令し、
現時刻をもってジェネラル 大原空へ
第3軍の将の座を返還する。

空)え、ええっ!?!!!
剣)マジかよ!?
宗)成る程、そうくるか。
里)昂輝と零には既に話を通してあったんだ、
だからあとは空の意志だけだよ。

強権、そう言っても最後の決定は
自分に委ねてくれる、その優しさと信頼に

空)返還を受け入れます!

応えなければ男がすたるとゆうものだ

里)そうゆう事だから、宗司、剣介も頼んだよ。
剣)了解です!
宗)こいつの面倒は任せてください。
里)空。
空)はい!
里)最小限の力で戦う術は教えたけど、
怪我を克服したわけじゃないって事を忘れないで。
空)はい、ご指導ありがとうございました!

立ち去る里津花へ頭を下げて
上げる時には立派な将の顔をしていた

空)情報を再度確認しないと、詰所に戻ろう。
宗)了解、大将。
剣)そんなに経ってないけど、懐かしいな。

3人は3軍の詰所へと急いだ





第4軍の詰所でも最前線の状況報告があがる

衛)最前線に大量のリグレット..
守)大量発生は何度かあったけど、
上位種まで出てくるのは初めてだ。

廉)2軍のテントに連絡してみましたが
出ないところをみると本当の事みたいですね。
涼)1軍も駄目、誰も出ないよ。
望)連絡係さえ駆り出されてるみたいだね。

4軍に新たに入った廉、涼太、望も最前線へと
無線を使ってみるが全て応答なし
昂)油断ならない状況だな、リョウ。
涼)..何?コウ。
昂)向こうの詳しい情報が欲しいんだが。
涼)それなら廉や望に聞いた方がいいよ。
廉)え?
昂)ぁ、ああ..なら、頼めるか2人とも。
廉)あ、はい!分かりました。
望)了解です。

涼)俺はモリと物資の確認に行ってくるよ。
守)えっ。
涼)確認が必要だって言ってたでしょ?
守)うん。
涼)ほら、行こう。

涼太は守人を連れて
物資保管庫へと行ってしまった

昂)衛。
衛)何?コウくん。
昂)俺はリョウに避けられるのか?
衛)そ、そんな事ないよ!?
昂)なら、いいんだが...
衛)コウくん..大丈夫だよ!
リョウくんはコウくんの事、大好きだから。
昂)そうか..ありがとう衛。


何も出来ないもどかしさと
励ますことしか出来ない不甲斐なさを
そっと噛み締める衛だった



つづく

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