第11話「ただ真っ直ぐに」



物資保管庫から逃げるように立ち去った涼太

涼）..モリを置いて来ちゃったな。

だけどあのまま剣介と一緒にいられなかった
張り詰めた糸が切れそうになるから...なのに

剣）リョウ、待てって！
涼）ｯ、何で追ってくるのさ！
剣）逃げるからだろ！

腕を掴まれ止まるしかなくって
俯いて顔を合わせない様にするのが精一杯だった

剣）やっぱり、白化が進んでるんじゃないか？
涼）..だったら何？
剣）リョウ？
涼）言ったところで、ケンに何が出来るのさ。
何も出来やしないんだから放って置いてよ！

酷い事を言っている自覚はあった
だけど一度吐き出してしまうと止まらない

剣）それは...
涼）ほらね？言い返せない、
白化は進行を遅らせられても治せないんだから。
剣）リョウ...
涼）もういっそ、全部出し切ってしまったら
楽になれるのかもしれないね。
剣）リョウ。
涼）弱い奴だって、笑えばいいよw
剣）涼太！

突然強く名前を呼ばれて怯むと
肩を掴まれ真っ直ぐ見つめられる

剣）誰が笑うか！白化が起こるのは
涼太が心を痛めながら戦ってるからだろ！
涼）剣介..
剣）誰よりも優しいから、だから...
涼）...ごめん。
剣）側にいる、
これ以上リョウの心が傷つかない様に。
涼）それは...嫌だ。
剣）なんでだよ！？（涙目）

上手く笑えてないだろうけど
精一杯の笑顔で告げる

涼）それでケンが傷つくのは嫌だ。
剣）リョウ。
涼）だけど、ありがとう。
剣）うん。

宗）話はまとまったか？

話に夢中になっていたせいで宗司が来たことに
気付いていなかった2人

涼）！？？
剣）宗司！居たのか、気づかなかった。
宗）一応、追いかけて来てたんだけどな。
涼）いつから？
宗）ん？
涼）いつから聞いてたわけ？
宗）「何も出来やしないんだから..」
涼）殆ど最初から！？
宗）大声で話してるからだろ？
涼）もう、知らない！（早歩きで立ち去る）
剣）あ、リョウ！...宗司。
宗）わざとじゃない、それと剣介。
剣）何？
宗）空が、第3軍は詰所に集合だと。
剣）空が！？
宗）説明は行きながら話してやるよ。

宗司たちは第3軍の詰所へと向かう

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場所は変わって
ミネルヴァ軍地上本部が見下ろせる
高層ビルの屋上

）あれが奴らの本拠地か。

全身真っ白な服を纏った男

白い闇が近づいていた



つづく