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何年もの安泰を崩した、歴史に残るあの日
親を周りを、大切なものを失った子供たちは
命をかけて、剣を握った。
たとえ死ぬと分かっていても、苦しくても
復讐するためでもなく、親のためなんかでもなく
自分たちの未来を、作り出すために。
終わりがないとしても、志半ばで倒れても
それでも隣にいる仲間と共に戦っていくのだ。
そうして、なんとか生きるのだ。
これまでも、そしてこれからも。ずっと。
隣にいる脆くて儚い大切なものを守るために
辛さを隠して戦いにいく。
でも、きっと彼女らは終わってから笑うんだろう。
くだらない日常的な当たり前のことに笑えるのだ。
だから、どうか未来を。
今を一生懸命に生きる勇気に祝福を。
剣を握り続ける手にいつか、平和を。
いつも通りの日常が続くことを祈る。
これはとある魔勇隊とそれを知るあなたへの
大切な当たり前のための
勇気と、“希望”の物語だから。
──とある魔勇隊の話【完結】
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。