第63話

第60話「続いた未来」
55
2021/04/27 11:53
錐妖 夏穂
錐妖 夏穂
えっとー、今から第25回だよね?こほん。
第25回戦兵団定期ミーティング開始します!
司会の錐妖・・夏穂です。
よろしくお願いしまーす。
怜央
怜央
……誰も数えてないと思うけど第30回目だ。
全員出席してるか?
双葉
双葉
はいはーい!ちゃんと数えてたし
実務課主任出席してます!
悠里
悠里
副主任も出席してます。
双葉……うるさいです。耳が潰れますって。
佐奈
佐奈
理学科、副主任出席してる。
蒼は仕事長引いてたから
多分もうちょっと遅れると思う。
光汰
光汰
え、珍しく真面目な会議かと思ったら
遅刻とかタメ口とかOKなやつ?
あ。外交長も出席済みでーす。
咲楽
咲楽
多分どうせいつも通りグダグダ…。
調査科副団長、出席してるよ。
千暁
千暁
まぁ、夏穂が真面目な会議とか
できるわけないもんな!
どうせこれもなんかの気まぐれやろ?
あ、調査科の主任出席しとるで!
蒼
あれ珍しい。もう始まってる?
遅れました。理学科主任出席でーす!
錐妖 夏穂
錐妖 夏穂
ねぇ、みんな茶番の付き合い悪くない?!
どうせ知り合いしかいないんだから
ちょーっとぐらいふざけてもいいじゃない!
怜央
怜央
夏穂の「ちょっと」は
普通の人の99%だからタチが悪いんだ。
……で今回の議題は?
錐妖 夏穂
錐妖 夏穂
あ、それそれ。そうだよ!
私ったら完全に忘れてた。
光汰
光汰
はぁー?おいおい、頼むぜ
団長さんよぉー。
双葉
双葉
夏穂がこうなのはずっと前からだけど
先が思いやられるなー。
錐妖 夏穂
錐妖 夏穂
えへへ……
それでは来月の海外調査について
会議を始めます!
何年もの安泰を崩した、歴史に残るあの日
親を周りを、大切なものを失った子供たちは
命をかけて、剣を握った。
たとえ死ぬと分かっていても、苦しくても
復讐するためでもなく、親のためなんかでもなく
自分たちの未来を、作り出すために。
終わりがないとしても、志半ばで倒れても
それでも隣にいる仲間と共に戦っていくのだ。
そうして、なんとか生きるのだ。
これまでも、そしてこれからも。ずっと。
隣にいる脆くて儚い大切なものを守るために
辛さを隠して戦いにいく。
でも、きっと彼女らは終わってから笑うんだろう。
くだらない日常的な当たり前のことに笑えるのだ。
だから、どうか未来を。
今を一生懸命に生きる勇気に祝福を。
剣を握り続ける手にいつか、平和を。
いつも通りの日常が続くことを祈る。
これはとある魔勇隊とそれを知るあなたへの
大切な当たり前のための
勇気と、“希望”の物語だから。
                ──とある魔勇隊の話【完結】

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