……なんだろ、?
兵法はもういいのかな。
みんな、私と同じようなことを思っているのか
周りがザワザワと音を立てている。
指を指された先にあるのは
The・自然林という感じの荒れ果てた森。
でもなぁ。
いくら荒れ果ててるとは言え森だ。
抜けるのに一日もかからないと思うんだけどな。
それなのに試験とかできるのかな?
なるほどねぇ。
だから、何でもありのチーム戦。
いやいや、やばいよね?!
どこにどれぐらいあるかも分からない
得体の知れないものを全部倒せって。
多分向こう側から襲ってくるし。
あ、ならうちにはとっておきの切り札
佐奈がいるから大丈夫だ!
あと、頼りになる咲も怜央もいるし。
とりあえず生き残れそう!
良かった、良かった。
ついこの間合格した私は初めて使うんだよなぁ。
立式シューズ……。
見た目は普通のロングブーツなんだけど
空をスケートのように滑れる優れ物!
ちなみに電池で動いていて
「バッテリー」という制限もある。
はっ、
この訓練には一番大事な問題がある。
私はつい謎の日本語を組み立てて
大声で兵士さんに聞く。
うぅ……
夜ご飯食べれないなんて、耐えられないっ!
しかも今日献立表だとゼリーついてるから
楽しみにしてたのにぃぃっ!
集団訓練許さない!一時間呪ってやる!
そんな私の心の嘆きと怒りを無視して
始まった集団訓練。
果たしてどんな結末を迎えるのか。
◇
はい、最初の意気込みはどこへやら。
今は3人でしりとりしてます!
ドッガァンッ
サッととっさに背中合わせに集まった私たち。
周りにはざっと30人ぐらいの機械。
襲う気満々って訳ね?!
いいわ、それなら。
私は地面に魔法を伝わせて
蔦の檻を作る。
とりあえず欲望をぶちまけといた。
ぶどう苦手な私への最大の嫌味から
始まった集団訓練戦闘。
さて、食堂が開いているのは
あと30分。
それまでに、絶対倒す!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。