「ただいま帰りました!」
うぅ、ううん。
「たーだいまっ!」
……はっ!
双葉達の声で一気に頭が覚める。
おっと危ない危ない!
私としたことが戦い中に気を抜くとは。
うーん、なんか頭変な感じするな。
体痛いしダルいし。戦ってもないのに変なのー。
ぼーっとしてただけなのにどっと疲れてるよ。
……なんか、記憶が不自然なんだよな。
忘れてるような気がしないでもないけど
思い出せないよぉ!なんかぼんやりとしか思い出せない。
こういうのってすごい気持ち悪いんだよなぁー。
ここまで出かかってるんだけどなぁー。
なんか、確か悪いことだった気が……
うん、ただの勘だけどね。
でも気づいたら体が勝手に叫んで
みんなを庇うように前に出ていた。
そしたら謎に美人なお姉さんか
扉を蹴破ってナイフを握っていた訳である。
……あ、さっきの嫌な感じこれかな?
だとしたら私今日めっちゃ勘冴えてるっ!
あのぼんやりしたの予知夢かな?!
ついに未来に手を出しちゃう!?
よーし、だったらその予知夢を利用して、予知ろう。
私は目を閉じて次の風景を思い浮かべる。
……予知はまさかこっちの地雷だったか。
今朱莉さんの質問攻めに会ったら最悪じゃん。
最悪死ぬよ?え、ただの勘なんですよ。
それで良くない?実験とかしたくないよ?
と、まぁ余裕ぶってるけどやばい。
なんとか勘でナイフ攻撃を避けられているけど
これ当たったらやばい気がする。魔法かな?
……え、誰だ「あいつ」って。
まさか2人も予知ってる?みんな予知能力者?
……私の唯一のチートがどんどん霞んでいくぅー。
どうして?ねぇみんなどうしてそんなに強いの?
あ、毒の耐性を作ってあいつの隙に突っ込む作戦ね。
勝手に名付けて「毒なんて怖くないもん作戦。」
まぁ、そう簡単にいきそうにないのは
勘が無くても分かるけど。
……まだ何か隠してるなあいつ。
とにかく、何がなんでも生き残る5分開始!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!