第7話

第七話「波乱の予感」
72
2020/12/24 13:17
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
あれは落ちた!!
私、絶対に落ちた!
ほんと、まじで、すごかった!!
糸宮 咲
糸宮 咲
あら。落ち着きなさい。
夏穂なんだから平気よ。
えぇ……私の夏穂なんですもの。
早崎 光汰
早崎 光汰
おい、咲。そろそろ怖えよ。

俺は全然余裕だったと思うけどなぁ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
試験官になんだか白い目で見られた。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
怜央っ?!
あんた何やらかしたのよ?!
もーう……。

あ、でさ
……なんか癖の強い天才がいたんだよね。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
落ちたな!
うん……。うわぁぁぁぁん!!
糸宮 咲
糸宮 咲
どんな子なの?
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
え?
感覚系魔法使うんだけどね。
すごく美人だったよ!
早崎 光汰
早崎 光汰
その情報はいらねぇよ。
糸宮 咲
糸宮 咲
あら、女好きで女たらしの光汰には
必需情報じゃない?ニコッ
早崎 光汰
早崎 光汰
あ?
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
え、そうなの?!
光汰って……そんな、えぇ?!
錐妖 怜央
錐妖 怜央
下手に話さないほうがいいぞ、
落とされるから。
怜央、痛いよ痛い。
冷たい視線が痛い。
私じゃなくて光汰へのだけど。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
あ、そうそう。それでね。
その子ね、体術がすごかったんだよ!
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
魔法にしてもあんな広大な範囲と人数に
質のいい感覚系魔法を掛けられるって
すごいよね!
糸宮 咲
糸宮 咲
あ、そういえば
こっちにも癖の強い子いたわよ。
糸宮 咲
糸宮 咲
「魔法試験で試験官殴った子。」
錐妖 怜央
錐妖 怜央
駄目なのか?
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
駄目に決まってるでしょ!
その子も何なんだろ……。
糸宮 咲
糸宮 咲
あくまでも推測なんだけど
その子は力系魔法なのよ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
ええ、何それ?
私聞いたことない。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
あれだろ。
例が少ないから教科書には乗ってない
特例の。
力を生み出すんじゃなくて力を操る魔法。
早崎 光汰
早崎 光汰
チートじゃねぇかよ。
糸宮 咲
糸宮 咲
あと、どこかの女好きさんのために
言っておくけどその子気が荒かったけど
ショートカットが似合ってて
とても綺麗でかっこよかったわよ。
早崎 光汰
早崎 光汰
俺のタイプじゃねぇよ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
や、やっぱり
光汰は女好きだったんだ……!?
錐妖 怜央
錐妖 怜央
安心しろ。夏穂は大丈夫だ。
糸宮 咲
糸宮 咲
あらぁ、
命が惜しければ夏穂を奪えるなんて
おこがましいこと考えないことね。ニコッ
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
ふぇ?
早崎 光汰
早崎 光汰
安心しろ。夏穂はタイプじゃねぇよ。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
はぁっ?!ひっどーい!
傷つきましたぁー。
糸宮 咲
糸宮 咲
夏穂を差し置いて遊ぶ女がいるなんて、
ほんっと見る目のないクズな男ね。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
夏穂じゃないなら
逆にどんな女がタイプなんだよ。
早崎 光汰
早崎 光汰
んー、
ロングは絶対。
おしとやかも絶対。
頭いいのも絶対かな。
できればギャップがほしい。
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
うわぁ……
ろくでなしの発言だぁ!
糸宮 咲
糸宮 咲
ほんと、
馬鹿って光汰の為にあるんだと思うわ。
錐妖 怜央
錐妖 怜央
それで言うなら
阿呆もだろ。
そんな馬鹿らしい会話をしながら
今期の兵士はすごい子揃いだなぁ。と
自分の不合格と波乱を漠然と感じていた。

プリ小説オーディオドラマ