「あら、もうおかえりなさった?
それでは私もこれでお暇させていただきますね。」
……声近いなと思えばそこにいたのか、紺花。
「はい、どうされました?」
「は?」
「……空、かしらね。
それでは、皆様ごきげんよう。ニコッ」
……めっちゃ優雅に去っていったな、あの野郎。
あぁ、もうムカつくったらありゃしない!
でも情報は貰えたよね。
というか、空って……うん。うんっ!
うわぁ、何ですかその目は。
初めて見たぞ、魔族見た時より酷いぞ。
あ、光汰までドン引きするー。
またその目?!ひどいひどい!
え、普通に例ごときでなんで目抉ったんだろう。
想像しただけで痛いからそれだけは御免こうむりたい。
そうだそうだ!珍しくナイスな副団長!
もっと言っちゃえ。と影に隠れて睨みながら
心の流れで反論する。
そこまでは考え回ってなかったけど
そうだよね。ナイス咲!
かなりのハードスケジュール来ましたね。
なんですか、睨んだことへの八つ当たりですか。
まぁ、長年の夢が叶うなら
どうたってことないけど!
ついに空が見れるんだぁ!
……まぁ十中八九攫われるでしょうけど。
そう考えた私は意味あるかどうかは
分からないナイフを服の裏に忍び込ませた。
さて、明日から戦闘開始。
……いつ攫われてもいいように
暇つぶしようの携帯持ってこうかな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。