……え、え、
盛りだくさん過ぎて脳がパニック。
言葉がゲシュタルト崩壊。
お腹が鳴ってる。
胸ポケットから取り出された
メモ帳のページど真ん中にに1本
線が引かれる。
……え、私そんなすごいやつだったりしたの?
なんかそんな漫画あったよね?!
主人公実は○○でした。的な!!
あれはー。あ、ブックスだ。
うーん、正直言うと、不謹慎だけど、
実は楽しかったりする。
漫画女子からしたら憧れの展開だよぉ!
……あれ、そっちの方がレアっぽい?
私、体も血もただの魔族なんですけど、
え、みんなは血は人間なんですか?
なんか強そう。
……何、その
恐ろしい推理。
だって、まだ
黒幕がいるってことでしょ?
それに、それが本当なら
そいつはまだ生きてるはずだ。
この本が頑丈に保管されてあった以上
その事実を知ってるのはそいつだけ。
私の価値を知ってるのは、
そいつだけなのに、私は組織で奪われた。
……高笑いが聞こえた気がした。あいつの。
死龍紺花、あんたが!
あんたが歴史をすり替えて!
血を入れ替えた!
そしてそのおままごとを続けた!
私の自由と、間接的に私たちの家族を奪った!
……ぜったい、ぜったい、許さない!
待てよ。
……あれ、ってことは、
あいつ何歳なの……?
今度はそっと怒鳴り声が聞こえた気がして
私は思い出すことをやめた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!