第34話

第32話「展開は唐突」
37
2021/02/16 09:00
……こんな事件に巻き込まれたのさほど
驚かない自分が悔しいやら虚しいやら。
攫われるのなんて2回目なもんでして。
理由分かってるし、なんか慣れたもんですよ?
いや、あれ、待てよ。
今回は全員閉じ込められたってことは、
外から助けに来れる人が居ないじゃん。
え、このままだと私たち助からないじゃん?!
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
……どうするの?!
「あらあら、これは皆様お揃いで。
ご機嫌いかがですか?」
上から急に女の声が?!
あ、スピーカーか。なるほど。
助かる状況説明係ね。
……しかも、
この声、もしかして
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
紺花でしょ、あんた!
「あなたの前ではそう名乗ったかしら?
名前なんて藍花、紺花、朱花……
たくさん使い分けてるから
いちいち覚えてられないわ。クスッ」
川下 沙奈
川下 沙奈
……なるほど。
じゃああんたが、"藍花"だったやつね。
それって佐奈を脅した、あいつ?
よしこれ紺花(仮定)ぶん殴れば解決するやつだ。
あいつが絶対ラスボスだ!
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
あのね!あ、聞こえるかなぁー?
おばぁちゃん?
私たち忙しいんだよねぇ!
早く帰してくれるかな?!
あっ、ごめーん!
先にやっぱり殴らせて!
「は?」
素の、は?いただきましたー。
声だけだから全然怖くないよーだ!
「それはさておき。
今から、ゲームをしましょう?」
海鳴 夏穂
海鳴 夏穂
するかばーかばーか!
青宮 遥斗
青宮 遥斗
黙れ、話が進まねぇだろ。

おい、敵さんよ。
そのゲームに勝たないと俺たちは死ぬ
そうなんだろ。
夏空 朱莉
夏空 朱莉
あんたの性格から考えて
絶対に勝てると想定した
こっちに不利なゲームでしょー?
性格悪いおばあ様だこと。
「えぇ、そうよ。
最も、私はまだ若者だけどね。

ゲームのルールは簡単。
私が今からそこにある時限爆弾を起動する。
リミットは3時間しかない。

そして、
こっちの五大幹部の手元には
解除するために必要な、
3つの鍵がひとつずつ揃ってる。

そこで、
私がランダムに2人ずつ別空間に閉じこめるから、
戦ってちょうだい。

もし無事に出れたら
今回は、手を引くわ。」
……今回は、ね。
相変わらず抜け目がないというか。
というか爆弾あるの?!
え、そんなの不利、
というかもう従うしかないじゃない。
「どうするのかしら?
受けてくれる?」
青宮 遥斗
青宮 遥斗
……あぁ、心底不本意だがな。
よし、そうだそうだ!
団長もっと言ってやりやがれくださいませ!
「あらあら、ノリが悪いわね。
まぁいいわ。ふふ。
それでは、ゲームスタート。」
そんな、大嫌いな声で
私たちの命を懸けた爆弾ゲームが幕を開けた。

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