さてさて、もうすぐだー!
ちゃんとした拠点は向こうにあるらしい。
なんだ歯磨きいらないじゃん!
わざわざセットで持ってきたんだけど。
今は絶賛立式シューズで移動中。
到着まではあと30分ぐらい。
にしても
思ってたより海とか空って見えないもんだな……。
もしかして2段目でも空って見えない?!
期待して損したぁー。
あぁ。そっか。
みんなは知らないのか。
それは業務秘密、かな!
まさかこっそり忍び込んだとか言えないね。
……古典言葉って苦手なんだよなぁ。
よく、わかんないや。
授業真面目に受けとくんだった。
というかこの上には陸ってのもあるんだねぇ。
え、てことはじゃあここは陸の下にあるのかな?
海の周りって、知らないことだらけだ。
……へ、ここの隊列は
私たち10人だけだけど?
うおっ?!
ちょっと、朱莉さん?
……何やってるんだよお姉ちゃん!
まぁ会ったこともないし名前も知らないけど。
理屈になってなぁい!
ガッッシャーンッッッ!!
。
私たちの周り3列を囲むようにいきなり現れた
大量の魔族。軽く数えて20体。
疑問が3つぐらいある。
なんで今ここに来たの?
なんで私たち以外に見向きもしないの?
魔族って群れないんじゃなかったの?
いや、もう
全部疑問なんだけど?!
今は考えてもしょうがない。
とりあえず戦うしか。
。
突如聞こえた団長の声と
塊で降ってきた雪と閉じ込められた魔族。
……これは団長がやったの、?
ガタンッ!
うわぁー。
目の前で急速にものが進んでゆく〜。
さっき囲まれたと思った魔族を
団長が閉じ込めて2人がもう倒してる〜。
実力は、折り紙付きという訳ですか。
……え、ちょ。助け。
何が、一体、どう、し……て。
あ、もうダ、メ……。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!