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第10話

忘れたとしても
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2018/04/01 02:25
見慣れた街並みと空気に体が馴染む。
彼女が甦らせてくれた記憶に浸る。
でもやっぱり自分自身で歩いてきた道だから進んでいこうと思う。
大切な人のために、誰かのために、自分のために。
蝶が鱗粉を撒くようにまた記憶を落としながら歩いていく。






どうか、ひとりにしないであげて。
祈りのメロディが聞こえたら、
記憶の結晶がそこにあるかもしれない。


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