第116話

~2人きり~
6,537
2020/05/25 15:07
御子柴杏華side







私は八雲村という小さな村に生まれた。




父と母と私で貧しいながらも幸せな生活を送っていた。




そんな私には、幼なじみがいた。







"久遠蒼逸"






私の1番のライバルで、






1番、大好きな人だ。







御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
蒼逸ー!!!!
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
ん?どうしたの?杏華。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
もう1回あの山登りに行きたい!!
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
ほんとあそこ好きだな!
いいよ!
蒼逸は幼くして鬼に父を殺され、母と弟2人で生活していた。



長男だったということもあり、正義感が強く、弱いものを放っておけない。





優しい性格だった。







その日、私達は綺麗な夕日の見える山の頂上を目指して、山登りをしていた。





14歳、少し肌寒い、秋の事だった。



御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
蒼逸ー!!
早いよぉ!!
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
杏華が遅いんだよ〜!!!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
もー!!!!
待ってよー!!!!





_______________



ようやく頂上に着いた。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
はぁ、はぁ、
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
杏華!!見て見て!!
すんごいきれいだよ!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
わぁ、、、



この山の頂上から、蒼逸と見る夕日が、






1番綺麗だった。




_______________



私達は夕日を見終わり、山を下山していた。

久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
杏華、暗くなってきてるから足元気をつけなよ!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
うんっ!!





私達が下山し終わる頃には、もう辺りは暗くなっていた。
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
杏華!!早く帰ろう!!
鬼が出るよっ!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
うんっ!


走って家に帰る。


御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
だだいまぁ〜!!!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
!!!!!!!!


家に入った私は衝撃の光景を目の当たりにした。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
あ、、、ぁ、、、
お、父さん、お母さ、ん、


家の中はそこかしこに血溜まりがあり、引っ掻いたような跡がそこら中にあって、ボロボロになっていた。



部屋の真ん中には、私の大好きなお父さんとお母さんが血だらけで力なく横たわっていた。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
お父さん!!!!!!!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
お母さん!!!!!!!!
何度声をかけても、





何度揺さぶっても、、、






2人が起きることはなかった。







バンッ!!!!🚪
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
!!!!
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
杏華っ!!!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
あ、、、蒼逸っ、、、


ギュッ!!


久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
っ、、、
俺の母さんもっ、、、
俺の弟もっ、、、
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
殺されてたよっ、、、
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
!!!!
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
一体誰がこんなことしたのっ、?
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
鬼だ。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
鬼、、、
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
鬼に殺されたんだ。
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
悲しかったな、苦しかったな、
もう大丈夫だ。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
あっ、、、あぁ、、、
久遠蒼逸(14歳)
久遠蒼逸(14歳)
泣いていいよ。
御子柴杏華(14歳)
御子柴杏華(14歳)
うわぁぁぁあん!!!!!!!!



私はいっぱい泣いた。




体中の水分が無くなるんじゃないかってくらい泣いた。





そんな私を蒼逸はずっと抱きしめてくれていた。




蒼逸も泣きたいはずなのに、、、






ずっと、涙を堪えて私の背中をさすってくれた。








私達は一瞬で愛する家族を失った。





気味の悪いくらい大きくて綺麗な、、、




満月の夜の日のことだった。











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