兄ちゃんっ､､､姉ちゃんがっ、死んだっ

毒の耐性をつける訓練でっっ､､､

そうか､､､

もう。これ以上兄妹を失いたくないっ
死にたくないっ。

なぁ、彪馬、

な、に??

俺とお前で、

っ、そんなこと出来るわけないじゃないか、

この村は外から見えないように高い壁で囲われてるし、監視の目もあるっ

でも、

俺だって逃げたいよ!!!!

でもっ、出来ないんだ､､､
この前も翔也（しょうや）(兄妹の1人)が1人
で逃げようとして、殺されただろっ､､､
もう、無理なんだよ､､､

彪馬。

､､､？

俺らはこの過酷な命懸けの訓練に今まで耐えてきたんだ。

今の俺達ならいける。

いいか、絶対だ

絶対に行ける。

っ､､､

高い壁を登ることなんざ今のお前には造作もないことだろ？

監視の目をかいくぐる方法なんて今までクソほど教えられてきた。

いいか、俺らは今まで死と隣り合わせの訓練を受けてきたんだ。

そして、
そのせいで多くの兄妹を失った。

命の重みを知り、
死への耐性をつけた俺たちは

もう立派な忍だってことだ

っ、兄ちゃんっ、

だから、ここから2人で逃げて、忍を辞めて、2人で一緒に、人の役に立つことをしよう。

金の為、己の私腹を肥やす為に力を使わず、人の心に寄り添い、命を何よりも大事にする奴になろう。

うんっ､､､!!

俺、逃げるよっ、
兄ちゃんと一緒にっ､､､

そうか､､､。

お前は俺の1番の弟だ。

うんっ、うんっ､､､

いいか、決行は明日の夜十二時だ。

分かった。

よし。じゃあまず万が一村が襲われた時のために作られた外壁に繋がる脱出用地下道を通って移動する。

うん。

地下道を出たらすぐ外壁がある。
そこは監視の死角になってる。

そこを登るんだ。
"音"を立てずにな。

俺達の一族は皆耳がいいのは知ってるな。
そしてその中でもお前と俺は
特に耳がいい。

だから、
登る時の音を最小限に抑えるんだ。

分かった。

よし。じゃあ明日の夜十二時、
最低限の武器だけもって出発だ。

うん!!

兄ちゃん、絶対生きて逃げよう。

あぁ。