善逸side
獪岳が、俺を嫌っていたのは十分わかっていたし
俺だって獪岳が嫌いだった。
でも、
心から尊敬してたよ。
アンタは努力してたし、
いつも俺はアンタの背中を見てた。
じいちゃん。ごめん。
俺達、分かり合えなかったよ。
グルンッ!!!!!!
重力に身を任せ、落下していた体の体制を整え、
部屋が重なって出来ている壁の
僅かなでっぱりに着地した。
ごめん。
兄貴______________________________
ドンッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
思い切り地面を踏み込んだ。
ズバァッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!
頸を斬った。
違う。
じいちゃんは。
ボロボロッ、、、
獪岳は消える前、切ないような苦しいような、
後悔の音が聞こえた。
複雑な音だった。
_______________
獪岳side
彼奴に頸を斬られた。
閉じた目を再び開けると、そこは、
俺はかつて俺と彼奴と爺の三人で修行をしていた、
大きな木のある丘の上にいた。
でも、後ろは真っ暗な闇の中、
炎がうねり燃える地獄のようだった。
獪岳。_______________
懐かしい声がして、反射的に振り返る。
死んで欲しいとさえ思っていた爺の声が
未だ懐かしいなどと思ってしまった。
なんとも、、、皮肉だ。
なんなんだよ。
なんでこんなに懐かしくて
すがりつきたい気持ちになる。
俺は強く当たった。
もう。
これ以上爺と話したら、おかしくなりそうだった。
やめろ。
やめろ。
自慢の弟子じゃった。_______________
やめろっ、、、
喉の奥がぎゅっと締まり、目頭が熱くなった。
もしも、俺があの時鬼にならずに、
あのまま鬼殺隊として頑張って居られたら、
爺の後継として、活躍できたのか、?
彼奴とも分かり合えたのか、、、?
教えてくれ。
俺は涙を流しているのを
爺に悟られないように静かに後ろを向いて、
闇の中、炎の燃え盛る地獄に向かって足を動かした。
間違った考えで暴走していた俺を
止めてくれて、ありがとう。
''善逸''_______________
''師範''_______________
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👺長くなってしまったぁあ!!!!!!
ごめんねぇえ!!!!!!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。