善逸side
まだ、一分、、、
もう、一分、、、
一分という時間がとても長く感じる。
こんなに一分って長かったたっけ、、、
あなたはさっきの苦しそうな顔とは一変して、
顔色一つ変えず、目を閉じ、横たわっている。
もしかしたら、息をしてないんじゃないか、、、
もう、死んでしまったんじゃないか、、、
嫌な想像が何度も頭をよぎる。
あなた、、、お願いだから、、、
もう一度、俺を見て笑ってよっ、、、
また、嬉しそうに俺の名前を呼んで、
抱きしめてよっ。
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あなたside
私が立っている場所は、
数多の桜が咲き乱れる綺麗な場所だった。
真ん中には、川が流れていて、
ほんとに天国みたいだった。
川の向こう側も多分桜が咲いているんだろうけど、
霧がかかっててよく見えない。
あなた。_______________
あなた。_______________
川の向こう岸から私の名前を呼ぶ2つの声が聞こえた
とても懐かしくて、聞き馴染みのある声。
すると、霧の中から、
私の大好きな、
お父さんとお母さんは嬉しそうに笑っているけど、
どこか悲しそうだった。
私はお父さんとお母さんにすがりつきたい一心で
二人の方に行こうと、川に足をつけた。
バシャバシャと川の中を進んでいく。
ビュウウウッ!!!!!!
ハラハラ、、、
つむじ風のような強い風が一瞬で駆け抜け
桜の花びらが一気に散った。
落ちてくる桜の花びらで二人がよく見えない。
早く、早く向こう側に行かなきゃ。
バシャ、、、
驚いて、足を止めた。
あなた!!!!!!!!!!!!_______________
私の元いた方向から、私を呼ぶ声が聞こえた。
あなたさん!!!!!!_______________
おい!!!!!!起きろ!!!!!!あなた!!!!!!_______________
あなた!!!!!!!!!!!!!!!!!!_______________
霧と花びらでよく見えなかったけど、
お母さんは多分、泣いている。
私はまだ、、、ここへ来るべきじゃないんだ。
まだ、二人の所へは行かないっ_______________
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。