第215話

~天ぷらと約束~
5,672
2020/12/06 16:35
アオイside









私は、妖しく光る満月が照らす夜道に、


天ぷらを持って伊之助さんの屋敷に向かっていた



 神崎アオイ
神崎アオイ
伊之助さん、喜んでくれるかな、?



あなたさんが居なくなって、

少し元気がなかったからどうにかして励ましたかった








スッ、、、






軽く握りこぶしを作り、屋敷の門を叩こうとすると、







ガガッ、、、(門の開く音)
 神崎アオイ
神崎アオイ
!!!!!!
嘴平伊之助
嘴平伊之助
よぉ
 神崎アオイ
神崎アオイ
伊之助さん、、
どうして分かったんですか、?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイの気配がした。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
それより、
こんな夜に一人で来たのか?
 神崎アオイ
神崎アオイ
は、はい。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
、、、危ねぇだろ。
用があるなら俺を呼べ。
 神崎アオイ
神崎アオイ
ごめんなさいっ、
嘴平伊之助
嘴平伊之助
とりあえず、中入れよ、




_______________






屋敷の縁側に面した8畳ほどの畳部屋に通された。




嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺に用があってきたんだろ、?
何かあったのか?
 神崎アオイ
神崎アオイ
いえ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
伊之助さん、最近元気がなかったから、
 神崎アオイ
神崎アオイ
これ、作って来たんです、


そう言って伊之助さんの前に

天ぷらの入った籠を差し出した、、、




嘴平伊之助
嘴平伊之助
、、、
伊之助さんは天ぷらを見て動かなくなってしまった。
 神崎アオイ
神崎アオイ
どう、したんですか、?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
いや、久しぶりだなぁって。
 神崎アオイ
神崎アオイ
え、?
伊之助さん、天ぷら食べるの久しぶりなんだ、
嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイの作った天ぷら食べるの、
久しぶりだ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
ありがとな。
 神崎アオイ
神崎アオイ
/////。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
折角だからアオイも一緒に食べようぜ。
 神崎アオイ
神崎アオイ
え、いいの、?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
一人で食べるよりみんなで食べた方が
美味しいんだって紋逸がいってたぞ。
 神崎アオイ
神崎アオイ
ふふっ、
じゃあ、お言葉に甘えてっ!!





天ぷらを食べ終わり、




月を見ようと二人で縁側に座った。







 神崎アオイ
神崎アオイ
綺麗な月だなぁ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
、、、?

ふと横を見ると、

綺麗な月の光に照らされた伊之助さんの目は、

なにか覚悟を決めたような、そんな目をしていた。






すると、
嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイ
 神崎アオイ
神崎アオイ
は、はいっ?



妙に緊張していた私は声が裏返ってしまった。



嘴平伊之助
嘴平伊之助
もうすぐ、彼奴が来る。
 神崎アオイ
神崎アオイ
え、?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
鬼舞辻無惨だ。
 神崎アオイ
神崎アオイ
!!!!!!
嘴平伊之助
嘴平伊之助
近々彼奴とやり合わなきゃならねぇ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
誰かが死ぬかもしれねぇ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
もしかしたら俺が死ぬかもしれねぇ。
 神崎アオイ
神崎アオイ
!!!!!!



嫌だ。







伊之助さんが死んでしまったら、、、私っ、、、




「アオイ?」





会えなくなるなんて嫌だ。






あの笑顔を見られなくなるなんて、嫌だ。















嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイ!!
 神崎アオイ
神崎アオイ
へ、?
伊之助さんに肩を掴まれて我に返った。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
なんで泣いてんだよ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
ぇ、、、


ポロポロッ、、、



生暖かいものが頬をつたる



私、、、泣いてる、?




 神崎アオイ
神崎アオイ
あ、これは、、、
違くてっ、、、



拭っても拭ってもとめどなく流れてくる、、、




 神崎アオイ
神崎アオイ
あれ、?

なんで止まらないんだろっ


そう言って誤魔化してみるけど、

やっぱり涙は止まらない。







ギュッ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
!!!!!!


私は気づくと伊之助さんの腕の中にいた。



 神崎アオイ
神崎アオイ
っ、、、ぅ、、、



安心した私は、伊之助さんにすがりついて泣いた。




 神崎アオイ
神崎アオイ
伊之助さんに死んで欲しくないっ、、、
死なないで欲しいっ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
絶対、、、生きて帰ってくるって、
約束してから行ってくださいっ、、、
嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイ、、、
 神崎アオイ
神崎アオイ
伊之助さんが居なくなったらっ、、、
私っ、、、
嘴平伊之助
嘴平伊之助
安心しろ。大丈夫だ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺は死なねぇ。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
なんせ、一番強いからな!!俺は!!
いつも通り、ニカッと笑う伊之助さんにほっとした
嘴平伊之助
嘴平伊之助
アオイは天ぷらでも作って
待っとけよ。
ワシワシと頭を撫でられた。

 神崎アオイ
神崎アオイ
っ、うんっ、



どうか、


伊之助さんやみんなが生きて帰ってきますように。












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