私は息を吸って、嘲笑いを浮かべながら
言ってやった。
あぁぁぁあぁぁー!!ネタばらしってイイよね
ホント!ドッキリでもあるでしょ!?
ハマったらアレ最高だよね!?
分かるでしょ!?この気持ち!!??
私が面白さに浸っていた時、急に
悪魔が重低音で言ってきた。
それにビクつく私。いや、どしたん急に。
悪魔は急にさっきまでの偉そうな言葉使いと
違い、荒々しい言葉使いに変わった。
雰囲気も少し変わった気がする。
気がしただけであって欲しい。
えぇぇー………。そんな事言われたって私は
知らんよ。騙されたお前が悪いんだろうが。
そう言って私はそそくさと悪魔から離れ帰る。
もう、全速力でサヨナラした。
できるだけ深く関わりたくないんだよ!!
────────────────────
ダダダッ!!
ヒィィィィィ!追いかけて来てないよね!?
私は校門まで全力で走りきる。
疲れた。アレ以上関わるとほんっとに
私の身が危ないからぁ。
と、私が息を切らしていたら近くで声がした。
その正体は、穂実と佳奈恵だ。
滅茶苦茶安心したわ。
はぁ!!良かったァ!!!!!
多分!!!!
やっぱりこういうのが私は好きだ。
確かに私は半妖、半分は妖怪だ。
だけど半分は人間だ。
人間なんだ。
私は今人間として過ごしている。
ただ私のこれから生きていくのに人間としてか
妖怪としてか選択肢があっただけ。
私は人間を選んだ。
だからこれから先も、私の中に眠る妖怪としての
"力"は封印しておこう。
それが私の選択だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。