前の話
一覧へ
次の話

第2話

m 💜スーパーアイドル
1,228
2018/08/20 09:24

1人で掃除をしていたら、
部屋の隅に積まれたDVDの山を見つけた。

今日は帰りが遅いらしい。
久しぶりに見ようかな。

リモコンを握りしめて、気づけば潤くんのソロまで早送りしていた。

「かっこいいな…」

画面に映るたくさんのペンライト。
あなたの存在をとても遠くに感じた。

『え、何、恥ずかしいんだけど笑』

「え!あ!潤くん!おかえり!」

『ふふっ、めっちゃぼーっとしてたよ笑』

「そ、そうかな、へへっ…あれ、
今日遅くなるって…」

『あー、撮影巻いたんだよね』

自分が映ったテレビの画面に気づくと、

『ほら、本物ここにいるんだから笑』

そう言ってテレビ画面を変えられた。

少し照れくさそうに笑う君の横顔は、
画面越しよりはるかに愛おしい。


なんでだろう、目線を合わせられない。

『なあ、』

腰をかがめて私の顔を覗きこむ。

『どした?元気ない?』

「え、えーっと…いや…」

大丈夫、と言おうとしたその時、
ふいにやさしく抱きしめられた。
大人っぽい香りのするニット。
ごつごつして男らしい手。

『分かった。分かったよ。』

「え…?」

『俺はお前だけのもんだから。本気で離したくないって思うのは、世界中でお前だけだよ?』

画面からでてきたスーパーアイドルは、何も言わなくても、私の不安を分かってくれた。

「うん。ありがとう…」

『泣くなよ笑』

「だって…松本潤がいるんだもん、ここに。」

『うん、いるよ。ずっといるよ?
あなたの隣に。』

そう言った彼の唇が私の唇に重なる。

『大好きだよ』

気づいたように台所へ向かう君。

『晩飯まだでしょ?
ドラマで作った料理のレシピ貰ったから、
作るね』

「ほんと!?ありがとう!」


きっと今私の目の前にある景色は、
世界で1番幸せな景色。

プリ小説オーディオドラマ