第55話

第54話
40
2022/05/13 09:57
長野博
良かったも雨もあがってる。もうすっかり夜だな
先程の二人の会話。
長野博
沙織・・・、ごめんな?
小早川沙織
長野がそういう人をほっとけない人だって分かってるから
長野博
ほっとけなかったんだ。彼とのことは誤解だと泣いてる彼女を
小早川沙織
わかるわよ。たとえどんな人でもね・・・。私も向こうでそういうことあったから
長野博
この埋め合わせはきっとするから
小早川沙織
うん。期待しないで待ってる
長野博
あはは!
どうすれば伝わるかな・・・
小早川沙織
まずは真実を伝えなきゃね・・・
長野博
そうだな
そして、由紀さんの元へたどり着いた長野さん。
井ノ原友紀
ごめんなさい、長野さん
長野博
なんで由紀さんが謝るの?
井ノ原友紀
・・・・わざわざ来てもらったから
長野博
気にしないで?
そして背後には怪しい人物。
あいつ、るうさんと付き合っていながら、他の女と密会?
⤴この時点で間違ってますけど?
そして長野さんは事の真相を聞いた。
長野博
えっ?健一さんが、君のいとこといま付き合ってるの?
井ノ原友紀
そうなんです
長野博
そっか。君のいとこが・・・。だけど、坂本さんとの誤解を解くのが先かもしれないね
井ノ原友紀
戻れるでしょうか・・・・私たち・・・
不安そうな顔をする由紀さん。
長野博
大丈夫、戻れますよ!絶対
井ノ原友紀
・・・・
長野博
僕は信じてます。君が真実を伝えれば必ず戻るって
井ノ原友紀
・・・・長野さん・・・
長野博
だって、あなた達の絆は強いんでしょう?
こんなことで崩れる関係じゃないはずです。素直になって良かったんですよね?
井ノ原友紀
素直になったから決意できた。だって、今度の発表会の曲は・・・・
由紀さんが何かを言おうとしたそのときだった!
坂本昌行
・・・・・なんで・・・
長野博
えっΣ(゚д゚;)さ、坂本さん?
井ノ原友紀
昌行・・・
そこに現れたのは坂本さんだった!
坂本昌行
今度はなんで長野と?
長野博
今度はってなんですか?俺は相談に乗っただけですよ?
坂本昌行
な、なんでここに!
長野博
坂本さんが誤解して泣かせるからアドバイスしていただけです
坂本昌行
お、俺は・・・
長野博
じゃあ、俺は邪魔なので帰ります。沙織を待たせているので。おふたりでごゆっくり
坂本昌行
・・・・
井ノ原友紀
あ!、長野さん、ありがとうございます
長野博
仲直りちゃんとしてくださいよ?
井ノ原友紀
・・・はい
そして2人きりになった坂本さんと由紀さんだが・・・
坂本昌行
俺も帰る!
と、由紀さんを見ないで踵を返し、行こうとした坂本さんだが・・・
井ノ原友紀
この交差点の辺りだったね・・・初めて私たちが会ったの・・・・
坂本昌行
・・・・・
回想


坂本昌行
ご、ごめん。急いでいたから
井ノ原友紀
う、うん・・
井ノ原友紀
あの時はね・・・曲が弾けなくてずっと悩んでいたの。最後のフレーズが弾けなくて、辞めちゃいたいくらい悩んでいて・・・・
坂本昌行
・・・・・
井ノ原友紀
わたし、彼とよりを戻すなんて言ってないよ?
坂本昌行
けど、君のいとこが・・・
井ノ原友紀
わたしらゆりちゃんの部屋に入ったことがないのに?
坂本昌行
でも!
井ノ原友紀
私のいとこのゆりちゃんが本当は私の部屋にあのリングをわざと落としたの
坂本昌行
えっΣ(゚д゚;)なんだって?
井ノ原友紀
彼が送ろうとした指輪は、私が返した指輪に似てるとゆりちゃんは誤解して・・・・。私たちの仲を誤解したゆりちゃんは、私を苦しめるためにやった事だと、健一から聞いたの。
坂本昌行
・・・・・
井ノ原友紀
健一とは、これからも友達でいたいのわたしは。
坂本昌行
由紀・・・
井ノ原友紀
わたしは、あなたと出会えて素直になって良かったと思っているの。ピアノを続けてよかったって。
私が今、好きなのは昌行だけだよ?
だから、リハビリもして、ピアノを続けようって思ったの
由紀さんは、気持ちをどんどんぶつけていた。
井ノ原友紀
昌行のおかげでピアノを続けることが出来たの。発表会をすることも出来るの・・・
坂本昌行
・・・・
井ノ原友紀
もう遅いのかな・・・・。もう、許してくれない?
坂本昌行
・・・・・・
井ノ原友紀
言いたいことは言った。これから先どうするかは昌行が決めてくれる?

じゃあ、そういうことだから!
由紀さんは、言いたいことだけ言うと走り去って行ってしまった。
坂本昌行
えっΣ(゚д゚;)待って・・・由紀!
追いかけようとした時だった。
健一
彼女の言ったことは全部本当のことだ
坂本昌行
えっ?
そこに居たのは・・・
坂本昌行
健一さん・・・
健一
何があったんですか?俺と由紀はもうただの友達だとあなたは分かっているのに・・・
坂本昌行
・・・・
健一
信じて貰えないですか?
坂本昌行
・・・・・舞台で悩んでいて・・・あいつにあたっていたんだ。
健一
えっ?
坂本昌行
いま、やっとわかった・・・
井ノ原友紀
昌行のおかげでピアノを続けようと思ったの!!
ずっと待っていたのに!
坂本昌行
あの時も俺を信じてずっと待ち続けていたはずなのに・・・・。俺はあいつを信じようとしなかったんだ・・・
健一
坂本さん・・・
坂本昌行
健一さん、ごめんなさい。こんなことになって。今更あいつにどんな顔して会えばいいですか?
健一
・・・・・
坂本昌行
今の俺はあいつとヨリを戻す資格なんてないんです・・・・
傷つけてしまったから・・・
由紀さんは、歩きながら泣いていた。
井ノ原友紀
昌行・・・、わたしやっと指が動くんだよ?あの曲を弾くためにわたし今まで頑張ってきたの・・・・
由紀さんは、顔を覆うと泣き崩れた。
井ノ原友紀
この指はなんのために動かせばいいの?昌行!

あの曲を昌行に聞いてもらわなくちゃ意味が無いの・・・・
坂本昌行
・・・・・
2人の誤解は解けるのだろうか?

2人は空を見上げながら・・・・・お互いのことを思っていた・・・・.。

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