「……お前、誰だよ?」
1ヶ月ぶりに目を覚ました君は私を見てそう言ったよね
『私の名前は…あなたです』
忘れられていた事が辛くて泣きそうになったけど、我慢して笑って言ったんだよ
だからきっと思い出してくれる
今度こそは好きになってくれる
そう思ってたのに君から言われた言葉は
「俺、多分お前のこと嫌い」
『……えっ?…そっかごめんなさい』
ちょとは予想してたよ
また嫌われるのかも知れないって
「そういう所とか余計に嫌いになる」
そんな言葉に耐えきれなくなって急いで病室から出たけど涙が止まらないよ
君にとって私はどうでも良い存在なんだね
《あなたちゃん》
『…ジミンさん』
《先生に話聞いたけど大切な人や思い出は覚えてるんだって
ジョングク、あなたちゃんの事覚えてた?》
『…ううん』
《変な事聞いてごめんね》
『大丈夫です笑
グクにとって私が大切ではない事が分かったし、何より嫌いって言われましたし』
《あなたちゃん無理しちゃダメだよ》
『無理なんてしてませんよ』
《顔が笑ってないよ、泣きたい時は泣かなきゃ》
それから枯れることの知らない涙は止まらなくてジミンさんはそんな私を黙ってハグしていてくれた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!