第7話

【秘密基地】(N×O×准一)
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2022/01/22 16:53
Oside




「准一〜」

運動場から保健室に侵入。

「いらっしゃい」

白衣を着た准一。おいらのいとこ。

高校で保健室の先生をやってる。

「今日も具合悪い子いないの?」

「うん。ほんとウチの生徒健康なんだよね。」

「そりゃ良かった」


息の詰まる病院から抜け出して毎昼ここで准一と一緒にご飯を食べる。


今年医大を卒業して臨床研修医1年目。

周りはバシバシしばかれてんのに俺だけ緩い。

なんでかって?そりゃ次期院長だから。

人の命預かってんだからもっと真剣に指導しろっつーの。

このイライラを発散するために忙しくない日はここに来る。




「イライラ溜まってんね。はい、自立神経のバランスを整える効果が期待できるカモミールティーでございます。」

准一自前の可愛いティーカップに入ったカモミールティー。

リンゴのような香りが興奮物質を抑えてくれる気がする。

いや、抑えてくれるんだけどね。



「そろそろ内科検診の時期だね。」

ひと息ついたところで准一が言う。

この高校は健康に力を入れていて3ヶ月に1度内科検診を実施している。

だからかな。この学校の生徒たちがこんなに健康なのは。

「今回は俺も来るの。だからそんときはよろしく」

「そっかぁ、そんじゃ、智の働きっぷりを見ないとね。」

「生徒を見てくださいなっと」

コンコンコンッ


呑気にお昼を食べているとやってきた誰かさん。

これがバレるのはまずいと思い咄嗟に隠れる。


「失礼します」

「お、先生」

なんだ先生か。

結構若めの人の声。生徒かと思ったよ。

でも、先生に見つかる方が危ない。

「どうしました?また体調悪くなっちゃいました?」

「…あ、いや、、なんかお取り込み中みたいでしたね。すいません」

「え?」

「あそこ、、。頭隠して尻隠さず笑」

「あっ…」

どうやらバレてしまったみたい。

「状況は何となくわかったんで。失礼します」

「え、あちょっと、そーゆーかんけーじゃないですからっ」

准一が言い終わる前に閉まった扉。



「智…出ておいで」

元気のない声。

「はい…」

「お前ってやつは、かくれんのほんとに下手だな」

軽くおしりを叩かれる。

「やめてよ〜、へんたーい」

「聞かれたらどーすんだよ。もー、今度からここで食べる?」

腕を引かれてやってきたのは室内にある秘密基地みたいなところ。

壁かと思っていたけど…1、2、、、6畳のスペースが保健室の中にある。

「ここ、俺の休憩所。誰も来ないからってベッドで寝るのは流石にアレだからここで。」

6枚の畳の上に敷布団、掛け布団、枕。

「お前ってやつは、バレたらどーすんだよ。でも、いいとこだな…笑」





お弁当箱を持ってすぐに移動。

もっと早く教えてよ。准一。

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