入間side_________________
いつもならば車を蹴るぐらいのことはする男が
いつもならば気を失った人間を見下ろしている男が
今はガードレールに背を預け、自分を見上げている。
これぐらいの声は出ても仕方ない。
現にこいつは私の声にもろくに反応もせず、
マイクをただ眺めている。
でないと、“こんな”になるコイツを
私は知らない。
黒い髪に赤い目…?
それって…
確かに。
彼の赤眼は片目だけだったか。
“マイクにあてられた”というのも
あながち間違いではなかったようだ。
まぁ、左馬刻をこんなにする方には
少々興味はある。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!