1章
高校生。
それは皆が青春の象徴だと言うようなところ。
そこで僕はとても優しく、人見知りで、けれど芯の強い格好いい人と出会った。
その人に出会って自分の夢を見つけられた、
その人に出会って自分を肯定出来た、
その人によって、僕の世界は明るく、眩しいものに変わっていった。
「っえぇと、詩野鈴奏です、宜しくお願いします。」
まばらな拍手が送られる。
僕、詩野鈴奏は高校生になった。あまり実感はわかないんだな。
通い始めて一週間、なんとか1年生達は慣れてきた頃。僕は学校でのお気に入りを見つけた。
屋上の入口の階段だ。
そこは人が通ることがほとんどなく、静かに過ごすことが出来るから昼休みと放課後は毎日来るようになった。
今日も昼休みの間屋上の入口で静かに音楽を聴いていた。
ずっと聴いていたらなんだか歌いたくなってくる。
聞こえるか聞こえないかの音量で口ずさんでいた。
「………の……み……せん…。」
誰かの声が聞こえる。近くで誰か話でもしてるのかな
「…の、す…ませ……。」
なんだか近い気がする。
すっすら目を開けてみると其処には誰か立っていた。
えぇ!?!!?!
「だっだれでっ…!」
驚いていた僕にクスクスと笑いつつ説明してくれた。
「ふっ、驚かせてしまってスミマセン。廊下を歩いていたら綺麗な歌声が聴こえてしまいまして。」
そう説明してくれていた。けれど僕は話が耳に入ってこなかった。
(綺麗だ。)
そう感じた。
とても、とても綺麗な眼をしていた。
真っ黒で、でも青くて、水色できらきらしてて、まるで海の底をそのままガラス細工にしたかのような綺麗な眼だった。
なんでだろう、この眼、何処かで見たことがある気がした。既視感ってやつだ
「あの…?」
其処でやっと返事が出来た。
「あ、えとごめんなさい何でしたっけ。」
「ふふふっおもしろいですね、貴方。」
おもしろい…?
僕が………?
まってまってなんて言ってたっけ。ええと、驚かせて、スミマセンで、えぇと?あっ廊下を歩いていたら歌声が………
「聞いてたんですか!?」
相手はとてもびっくりした様子で答えてくれた。
「え、ええ綺麗な歌声だなって、」
うわ恥ずかしっ、聞こえてたのか…
「ごっごめんなさいっ」
「いいえ、謝ることではないですよ。それより一ついいですか?」
なんだろう、僕なにかしたかな。
「僕のこと、覚えていますか…?」
…え?
覚えているかって初対面ですが…?
これはなんて答えるべきだろうか。
勿論覚えていると答えたかったが流石に正直に言うことにした。
「っえと、ごめんなさいどなたでしょう?」
「…そうですよねもう8年も前ですもんね。」
8年も前?昔にあったことあるのかな。
「僕は8年前、貴方に助けて頂いた者です。」
そんなことあった?
もんもんと昔を遡る。
8年前と言えば……
「スミマセン覚えてないかもです。その、実は僕8年前に軽く事故してしまいまして、そのせいで一部の記憶がなくなってしまったようで。」
そう、8年前僕は高学年の人達と遊んでいたら高い所から落ちてしまい記憶の一部がなくなってしまった。
生活に支障が出ない為、あまり気にはしていなかった。
なにかは忘れている気がするのだけれど、そのなにかが思い出せなかった。
「そう、なんですね。でも、あのとき僕は助けられたんです。その説はありがとうございました。」
眼の前の生徒は丁寧に頭を下げてお礼を言った。
「そんな、頭を上げてください。大層なことは何もしてないですよ。」
「あの、図々しいのは分かっているんですがもう一ついいですか?」
「はい、どうされました?」
「僕と友達になって下さい、」
ここまで読んで頂きありがとうございます✨
今のところ2章まで出来てはいるのですが日にちを開けて投稿しようと考えています。
3章が中々進まなくて萎えそうです…。
がんばります!
念の為、人物紹介をさせて頂きますね。
詩野鈴奏(しの すずな)
蒼樹小晴(あおき こはる)
今回登場したのはこの2人!
この2人を中心に話は進んで行きますのでどうかお楽しみに!!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。