「ボクさー!つぎのあいてはあのてんこーせーがいいなー!」
「えっ!まだやるんですか…?そろそろ怒られちゃいますよ…センパイは次退学かも知れませんし…」
「ボクに口答えするなんていい度胸してるよね!!」
「僕はセンパイのことを心配して…っ!」
「五月蝿いなぁ…四の五の言わずに協力してよ、ね?可愛い後輩くん?」
「……はい、センパイ」
ま「で、調子はどうよ」
ゆ「うっ………き、聞いてよまおえもーん!!」
ま「うわっ、語呂悪っ!」
ゆ「そこに触れて欲しいわけじゃないんだけど…」
あの所有印が跡形も無く消えてしまうほどの月日が経った、あれ以来葉織さんと全くではないが、必要最低限以上の話をすることは無くなった
あの事はないものには出来ず、まだ自分の中でズルズルと引きずっている
ゆ「引きずってるのも俺だけなのかな…」
ま「あー…そう思うのも早いってことは教えてやるよ」
ゆ「えっ…」
ま「じゃーな」
ゆ「ちょっ!待ってよ!!!もっと詳しく聞かせてよ!!!」
ま「ちょ!追いかけてくんな!」
(葉織side)
い「あー、はおたんだやっほー」
は「……なんの真似ですか?」
い「いやいや、からかって見ただけ。まぁいまはやめといた方が良かったかもね、前失礼するね」
は「いまどれだけ俺が窮地にいるか分かってないだろ」
い「いやだなー、分かってるよそんなこと。小学校からの付き合いじゃんかー」
は「はぁ…あんまりからかわないで貰えるかな?すっごい殴りたくなる」
い「酷い冗談だなー、それで?愛しの柚子君とはどうなの?」
は「気安く柚子君とか言わないでくれる?…まぁまぁかな…………」
い「もうあれから結構経ってるのにまぁまぁなの?突っ込んだ勢いはどうしちゃったの?」
は「う、うるさいなぁ!公共の場じゃないとはいえそういう言葉は使わないでくれる!?」
い「はぁーーーー…出会った時からそうだけどさ、あの子のことしか考えてないんだから少しは分からないの?」
は「そんなの、分かるわけないじゃん…僕の中の柚子君は小さい子供のまま止まってるんだから」
い「あっそ、完璧人間の名が廃らないよう頑張ってねー」
は「茶化しに来ただけかよ…」
い「あっ、そうそう!あの子最近は上級生に目をつけられてるっぽいよー」
は「……は?」
い「おー怖い怖い、頑張れセコム!」
(柚子side)
ゆ「はぁーーーーーーーー…真央足速すぎ…いや、俺が遅いだけ?どうしよ、こんな馬鹿でかい学校の中で迷子になったら死ぬ…」
「君どうしたの?」
ゆ「……………………………………………………」
「ちょちょ!君のことだよ、直樹柚子君」
ゆ「なんで俺の名前を…」
「お、大人しくついてきた方が身のためだと思うよ?ほら、あの綺麗な顔したピンク髪の…そうそう、佐藤さんとかいいなー!なーーんて…うわぁっ!?ちょ、喧嘩出来るとか聞いてない……」
ゆ「いまなんつった?もう1回言ってみろ変態野郎」
「まぁまぁ落ち着いてよ、ほら、平和的解決が1番でしょう?着いてきてくれれば何もしないからさ、ね?」
ゆ「………………………………間違ってるよ先輩。1番平和なのは先輩をここで殺しちゃうことだよ」
「えっ!ちょ、たんまたんま!!まっ…」
拳を振り上げた瞬間、頭に強い衝撃が走った
ゆ「あ"っ!?!!!」
「冗談きついよ…センパイ……」
「ははは、ごめんごめん。ボクもよそーがいだったよー!…さてと、ユズくん?一緒に来ようか!!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。