第53話

53話
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2022/10/08 08:48
黒田官兵衛
黒田官兵衛
時に信長
黒田官兵衛
黒田官兵衛
この戦況どう読む
黒田は信長にそう問いかける。
織田信長
織田信長
始皇帝というあの男…
織田信長
織田信長
家康の攻撃を避けると同時に武田との戦いで奴が負傷した足を攻撃していた
織田信長
織田信長
奴は武田との戦いを見ていない
織田信長
織田信長
家康の立ち姿を見てとっさに弱点を突いたのだ
日下部みやび
日下部みやび
あの僅かな間で…
阿茶局
阿茶局
奴らの力を甘く見てはいけない
阿茶局
阿茶局
甘く見た瞬間に後悔する
織田信長
織田信長
無論、家康もそのことに気づいてる
織田信長
織田信長
奴らの力…侮れん
黒田官兵衛
黒田官兵衛
洋々として大洋を充たし
黒田官兵衛
黒田官兵衛
発しては蒸気となり
黒田官兵衛
黒田官兵衛
雲となり雨となり
黒田官兵衛
黒田官兵衛
雪と変じあられと化し
黒田官兵衛
黒田官兵衛
凝しては玲瓏たる
黒田官兵衛
黒田官兵衛
鏡となりたえるも
日下部みやび
日下部みやび
その性を失わざるは
水なり…
すると、黒田が表情を変える。
阿茶局
阿茶局
そなたの周りにはセリフ取る者しかおらんのだな
黒田官兵衛
黒田官兵衛
全部自分で言いたかった…
日下部みやび
日下部みやび
失礼しました…!
みやびはそう言って頭を下げる。
織田信長
織田信長
どういう意味だ
黒田官兵衛
黒田官兵衛
………
日下部みやび
日下部みやび
変化には柔軟に対応できなければいけない
日下部みやび
日下部みやび
あらゆるものに姿を変える水のように…
阿茶局
阿茶局
はぁ…
黒田官兵衛
黒田官兵衛
ふぅ…
すると、黒田は呆れたのか正座していた足を崩して足を伸ばした。
日下部みやび
日下部みやび
申し訳ございません…!
そう言って、再び頭を下げるみやび。
黒田官兵衛
黒田官兵衛
大将ってそういうもんじゃないっすか?
黒田官兵衛
黒田官兵衛
ね?
日下部みやび
日下部みやび
は、はい…
黒田官兵衛
黒田官兵衛
もはや旗印戦で操めてる場合ではない
黒田官兵衛
黒田官兵衛
早急にこの高校を1つにまとめねば、隙を突かれ総崩れとなる
帰り道…
日下部みやび
日下部みやび
家康くんと話してみませんか
日下部みやび
日下部みやび
黒田くんの言う通り今は対立してる場合ではございません
織田信長
織田信長
みやび、あの時家康が言った言葉…覚えているか?
"俺の進む表の道を邪魔するゴミは全て処分する。ただそれだけの事。今も…そしてこれからも”
織田信長
織田信長
奴は…あぁして生きて生きて来たのだ
織田信長
織田信長
…ずっと1人で
日下部みやび
日下部みやび
家康くんが今までして来た事は決して許されません
日下部みやび
日下部みやび
でも、もしかしたら家康くんも孤独だったのかもしれません…
織田信長
織田信長
いつか奴とも…判りあえる日が来ると良いのだがな
信長は空を見てそう言う。
日下部みやび
日下部みやび
必ず…判りあえます
織田信長
織田信長
貴様はいつも前を向いている
日下部みやび
日下部みやび
私も考えます
日下部みやび
日下部みやび
私自身が…どうお役に立てるか
織田信長
織田信長
考えずとも良い
織田信長
織田信長
そのままで良い
日下部みやび
日下部みやび
……そう云う訳には…!
織田信長
織田信長
雲はいつもニョロニョロと動く
日下部みやび
日下部みやび
それでも進んでいます
織田信長
織田信長
ッ…!
日下部みやび
日下部みやび
周りの雲と繋がって…少しずつ大きくなる
日下部みやび
日下部みやび
信長くんならきっとそんな大将になれると…私は思っています
すると、一瞬沈黙ができる。
織田信長
織田信長
ではニョロニョロと行くとするか
日下部みやび
日下部みやび
いえっ…!ー寸…多少は急いでくださいね!?
織田信長
織田信長
判っておる、案ずるな
織田信長
織田信長
多少は急ぐ
日下部みやび
日下部みやび
…お願いしますよ?
日下部みやび
日下部みやび
では
そう言って、信長とみやびは別れた。

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