『ねえ蘭ちゃん』
「なあにあなた」
ソファでくつろいでる蘭ちゃんに話しかける。
『あのね、私ピアスつけたい』
そう、私は兄のように耳にピアスをつけたいのだ!!!
兄ふたりが身につけているものなんでもかっこよく見えちゃうんですよね!!
「は?」
え?
ガチトーンで言われた。
『なんで!!!』
「あなたに傷がつくのがいやなの」
なんてこった。
私の兄は顔がいい上にこんなにも優しいだと!!
だけどそんなこと言われてもあきらめるわけにはいかない。
『おねがい、ふたりとお揃いにしたいの!』
きゅるるん♡って上目遣いでおねだりしてみる。
この顔でおねだりするとなんでもしてくれるって最近気づいた。
案の定蘭ちゃんは顔を歪ませた。
あとひと押し!
『蘭ちゃん、おねがい!』
蘭ちゃんが口を開いた。
「だーめ。そんな顔してもだめなものはだめ」
????
必殺技が効かないだと!!!
こうなったら次の手だ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!