第4話

3話:地獄
935
2019/10/21 11:43
ピピピピ
耳障りな音をならす目覚まし時計をとめ、重い体を起こす。
あなた(普段)
あなた(普段)
はぁ、学校行きたくないな.......
しかし休むわけには行かないので、身支度を整え、朝ごはんの用意をする。
朝ごはんといっても、とても簡単なものだ。
あなた(普段)
あなた(普段)
凛花を起こしに行こう。
コンコン
あなた(普段)
あなた(普段)
凛花?朝だよ。
凛花
凛花
ん、おはよう、お姉ちゃん
私たちは特に会話も交わさず、無言で朝食を食べる。
仲が悪いという訳では無いが、あの日から、仲良く話すことは出来なくなってしまった。
あなた(普段)
あなた(普段)
じゃあ私たちは先出るね。
凛花
凛花
わかった。
妹は中学生なので、少し私より家を出るのが遅い。
あなた(普段)
あなた(普段)
いってきます。
凛花
凛花
行ってらっしゃい
今日もあの場所に行かなければならないと思うと、気が重い。
モブモブ
モブモブ
ごきげんよう。
モッブ
モッブ
ごきげんよう。
私の通う学校は、言わばお嬢様学校と言うやつだ。
しかし、私はもうお嬢様でもなんでもない。
ヒソヒソ.......ヒソヒソ
あなた(普段)
あなた(普段)
(.......。)
お金持ちの家の情報が回るのは早く、私がもうお嬢様ではないということはあっという間に学校に広まった。
そんな私に刺さる視線。聞こえてくる、陰口。
二階堂 心愛
二階堂 心愛
あら、あなたさんじゃないの。
どうしてまだここにいらっしゃるの?
あなた(普段)
あなた(普段)
.......。あなたには関係ないはずです。
二階堂 心愛
二階堂 心愛
あなたのご両親、まだ見つからないのでしょう?
大変そうねぇ。
私の言葉も聞かず、ズカズカ踏み込んでくるこの人は、二階堂心愛。
私がお嬢様だった頃、私の家は心愛の家よりも財力があった。プライドが高い心愛は、それが気に入らなかったのだろう。私が落ちぶれた今、これでもかと言うほど、嫌味を言ってくる。
あなた(普段)
あなた(普段)
.......。
二階堂 心愛
二階堂 心愛
しかも、娘に借金だけ残して消えるなんて、ひどいご両親ねぇ。
ガタッ。

私は席をたち、屋上に向かう。
二階堂 心愛
二階堂 心愛
クスッ
私が逃げたことに満足したのだろう。心愛はクスリと笑う。
あなた(普段)
あなた(普段)
はぁ。
この学校に、もう、私の居場所はない。
以前、私にはもっと友達がいた。一緒に話した仲間がいた。
いや、友達と思っていたのは、私の方だけかもしれない。相手からすれば、私は、ただの"金ズル"や、親から言われて付き合っていただけだったのだろう。
あなた(普段)
あなた(普段)
もう、誰も信じない。信じたら、裏切られる。
自分にそう言い聞かせ、グッと流れそうになった涙を堪えた。


すると、急に眠気が襲ってきた。
最近、眠れない訳では無いが、眠りが浅い。
だからだろうか。私はすっと、眠ってしまった。
✂︎- - - - - - - -キリトリ- - - - - - - - - - -

あほ作者
あほ作者
はーい。次回は、あなたの過去回です。
いきなり始まると思うので、時間軸狂わないように、理解よろしくです。

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