喋らないのは緊張するといい話しかけてくれた。話していくうちに意気投合して、いつの間にか集計は終わっていた。
ニコッと笑うと八重歯が出るその子とはもう会うことは無いだろうと思った。
〜 翌日 〜
そう言って渡されたのは、プリント類だった。生徒会に入っているというだけでよく頼まれることだ。何度もし慣れている。
廊下を進んでいくと3年生の教室が見えた。
中々重たいプリント類を持ちながら、歩いているとこちらに向かい走ってくる先輩がいる。
危ないと思い、避けようとしたが足が絡まり先輩が来ると共に倒れてしまった。近くにあった植木鉢が落ちてくるのが分かった
そんな会話が聞こえてくる。
先輩には申し訳ないと思う。私の不注意で…
身体が思うように動かない。
頭を強打したのか分からないが、動かないことを伝えた。
先輩は申し訳なさそうな顔でこちらを見ていた。
病院では色々な検査をした。どこが痛いのか、口は動くのか、そんなところ。検査の結果は、後頭部を強打しているらしく、しばらく入院だそうだ。
~ 数時間後 〜
私はドアを叩かれる音で目が覚めた。
待っていると、先輩と1年生の子がいた。
でも…
と2人は言っていたが、こちらが申し訳ないので帰ってもらうことにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。