『あぁ、はい……』
その声の主は じみん君で。
🐥「さっきはありがとう。」
『………え?』
思いもよらない返答が帰ってきてびっくりした。
🐥「さっきのボールの件。」
『あ、あぁ!!全然!!』
🐥「でも、ほんとにありがとう。」
いやぁ、親友のためにこんなに ありがとう を言ってくれる人とつるんでるなんて
てひょん君もなかなか見る目があるのだろう。
🐥「あの、お礼と言ってはなんですが……」
そう言って差し出されたのは
『し、食事券…?』
それは結構有名なレストランの食事券だった。
🐥「それ、なんか貰ったからあげる。ペアのやつだから仲良い人とか誘って行きな。」
『ありがとう!!』
じみん君は私の思った通りの人ではなかった。
少しだけ 冷たい感じがした。
けれども、どこか優しくて
暖かいと思った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。