第135話

134話
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2021/03/29 14:00



その日の夜、いつものように師範と食卓を囲む。














不死川 実弥
不死川 実弥
なァあなた...。
ん?
不死川 実弥
不死川 実弥
折り入ってェ、大切な話があるゥ





どうしたんだろう、深刻な顔して...。












不死川 実弥
不死川 実弥
時透の件なんだがァ、俺ァ嘘をついたァ
...嘘?
不死川 実弥
不死川 実弥
あいつになァ、お前が妊婦だって嘘をついたァ
 



この時、無一郎のあの言葉の意味がやっとわかった。








なんで...なんでそんな事...。
不死川 実弥
不死川 実弥
前に俺の家族はしただろォ
うん。
不死川 実弥
不死川 実弥
その一件以来俺の人生はずっと闇の中だったァ
不死川 実弥
不死川 実弥
だけどお前に出会ってェ、お前を継子に迎え入れてからはなァ
不死川 実弥
不死川 実弥
お前自身、恵まれた境遇で育った訳じゃないのによォ、いっつも笑顔でなァ、俺の人生の暗い夜に朝日が射したみてェに明るくなってなァ幸せだったァ
師範...。
不死川 実弥
不死川 実弥
勝手だがァ、この生活を壊したくなかったんだァ
不死川 実弥
不死川 実弥
すまなかったァ。
...いいの、師範。




師範が嘘をついてもつかなくても結果は同じだったはず。だって彼の隣には彼を慕う素敵な人がいる。










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