第43話

42話
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2020/12/30 00:02
私ね、元は貧しい家庭出身なの。お父さんとお母さんとお姉ちゃんと4人で暮らしてた。
だけど私が10歳くらいになったら私の家の家計が限界になって、私は遊郭に売られた。
その後遊郭で鬼殺隊勧誘のために視察に何度も来てた師範に連れられて、そのまま風柱の継子として鬼殺隊に入った。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ




話したの、失敗だったかな。




栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
…ずっと1人で抱えてたの?
ううん、師範は全部知ってる。
それにこんな話したら常人は誰も近寄って来なくなる。



遊郭の中の花魁でも太夫でも、外の世界からの視線は厳しい。だから遊郭にいた事はなるべく黙っておいた方がいいと、師範も言っていた。




栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
なら私は、変人。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
…変人にでもなんにでもなる。
カナヲ…
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
…まだ隠す?
えっ…?
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
霞柱様、好きなんでしょ。
好き…じゃない。
全然好きじゃない。
意地悪ばっかり言うし、愛華姉ちゃんじゃないって知ったら態度変えるし、なのに時々優しさ伝わってきて私の心揺らすし、もう嫌いだよ…大嫌い…
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
遊郭出身だから…?
違う!
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
時透様は柱だから?
違う。違うよ…



本当は違くない。由緒正しき柱の血筋には私みたいな遊郭出身の下劣な人間じゃなくて神社の娘さんや、実力の適う柱の女性が相応しい。今までの柱の人だってそう。



栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
違うのはあなただよ。好きになるのは自由だよ、遊郭なんて関係ない。
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
それに相応しいかは霞柱様がお決めになる事だと思うよ。
カナヲ…グスン







それからしばらくカナヲに見守られながら私は気が済むまで泣く。














なんて時間はなかった。









胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
カナヲ!!重症者が多数運ばれてきました、少し手伝ってくれませんか?
栗花落カナヲ
栗花落カナヲ
はい。^^*…スタスタ
あの胡蝶さん!私も手伝います!!
重症者を診れる程の医学の知識はないけど、傷の消毒とか、包帯巻くとかできる事ってあると思うんです。
胡蝶しのぶ
胡蝶しのぶ
ありがとうございます、それなら甘露寺さんの手当てをお願いします。




えっ…甘露寺さん?!?!














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