第102話

101話
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2021/02/23 14:00
我妻善逸
我妻善逸
ねぇあなたちゃん。これ…
 



そう言って3冊のノートをくれた。














これが無一郎の…






彼は何を感じ、何を思い綴っていたのだろう。














だけどこれを受け取ったらもう、無一郎は帰ってこない気がした。



















やっぱりごめん…善逸くんが持ってて
我妻善逸
我妻善逸
えっでも…読んであげないの?
これを私が受け取ったら、もう無一郎が帰ってこない気がして…
我妻善逸
我妻善逸
…あのねあなたちゃん。時透くんはもう居ないんだよ。もう帰ってこない。
生きてるよ!無一郎は生きてる!!
我妻善逸
我妻善逸
…あなたちゃん……辛くても、前進まないと!時透くんだって、それを望んでるんじゃないかな。
カナヲが治療してくれていたの。まだ意識は戻ってないけど…
我妻善逸
我妻善逸
だからあなたちゃn…ん?
我妻善逸
我妻善逸
生きてたんだ!!よかった!
善逸くんも知らなかったの?
我妻善逸
我妻善逸
うん、今知った。
我妻善逸
我妻善逸
だけどね、これは読むべきだと思う。
どうして…?
我妻善逸
我妻善逸
俺さ、勝手に読んだんだ。
我妻善逸
我妻善逸
絶対読むべきだと思う。意識が戻ったらきっと読ませてくれないよ?
でも…
我妻善逸
我妻善逸
九月十七日
なんとしてでも彼女を辞めさせなければならない。長い暗闇に彼女をいさせたくない。鬼殺隊なんか辞めて男見つけて幸せになればいいのに。出来れば彼女を幸せにする男は僕がいいなんて言わないから。
我妻善逸
我妻善逸
この日記の中にあなたちゃんの名前は最後にしか出てこないんだ。
我妻善逸
我妻善逸
だけどきっと彼女って、あなたちゃんの事だよね?
我妻善逸
我妻善逸
三月二十日
彼女が大怪我をした。一緒にいた我妻とかいう隊士のおかげで命は助かったけど、目覚める可能性は3割だとか。お願い、起きてよ。
我妻善逸
我妻善逸
六月十七日
今日から柱稽古が始まった。
僕のところにはまだ誰も来ていない。一日目だから当然だけど。彼女は多分、3日目位には次に行っていいと言われるんじゃないかな。
少し会えないだけなのに寂しい。今日も好きだよ。
我妻善逸
我妻善逸
今読んだのは一部分だけど、こんな感じの日常がたくさん書かれてた。


無一郎…こんな風に思ってくれていたんだね。




我妻善逸
我妻善逸
どうかな。読む気になった?
…やっぱり受け取ってもいいかな。
我妻善逸
我妻善逸
うん、もちろん!
我妻善逸
我妻善逸
じゃあおやすみ、渡しておいてなんだけどちゃんと寝るんだよ?
うん、ありがとう善逸くん!
おやすみなさい!

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