第125話

124話
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2021/03/19 14:00








兄さんの墓に着いた。














何故か墓はすでに掃除されていて、花まで手向けてあった。



















その後すぐに何やら置かれている小瓶と紙に目がいった。











紙には、「痣が発現した場合の寿命の縮みを抑える薬です。使うかどうかは自由。どうか、幸せにね。」と書かれていた。













掃除や花、この薬を置いていってくれた人が誰かなんて、考えずともわかった。

















あなた...。







とはいえ彼女はもう人の子を宿しているらしい。今更僕のものにはなり得ない。









 





愛華じゃなくてあなただって知った時、素直に喜べたら...。










戦いの前に想いを伝えていたら...。














目が覚めて蝶屋敷から逃げ出さなかったら...。















そうしたらあなたは...って、今更考えたって意味がない。


















彼女がせっかく掴んだ幸せを壊すつもりはさらさらない。















有一郎
有一郎
会いにいけよ。男だろ?
兄さん...?
愛華
愛華
そうよ無一郎!また逃げる気??
愛華も...?





もちろんここには僕しかいない。幻聴だ。




















でもきっとただの幻聴じゃない。見ててくれてるんだよね?ありがとう兄さん、愛華。




















僕はもう逃げない。たとえ振り向いてくれなくたっていい。ただもう一度、話がしたい。



















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