私ね、本当は知ってたんだ。
しのぶに聞かされる前から、ずっと、ずーっと。
すごく小さかった頃なのにハッキリと覚えてる。
私は“死ぬために生まれてきた“
お父さんがお母さんを殴ったりしてたのも、全部全部。
そんな時に鬼に家が襲われて
その時だって呼吸くらい使えたけど
怖くて足が動かなくて。言い訳になっちゃうかな。
それに母に死ぬために私を産ませた父なんか居なくなってしまえって思ってた。
悪い子かな、私。
ごめんね、お父さん、お母さん
私、ちゃんとやるべき事やれてたかな?
ちゃんと鬼殺隊の夢柱、出来てた?
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だから決めたんだ。
“自分だけが不幸になるならいい“じゃない。
みんな幸せじゃなくちゃね。
今世こそはみんなでたくさん楽しいことして、笑い合いたい。
前世からの夢だったんだ___。
みんなで“生きる“っていう
当たり前のようで当たり前じゃない事が___。
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次回 「はなひらく」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。