やってきてしまった月曜日。
星衣の近所には一緒に登校するような仲良しな友達はいなかった
けれど一緒に登校する人が一人。
夜来優希(やらいゆき)星衣の弟だ。
星衣の歩みは、ピタリと止まってしまった。
そういうと優希は、何かを思いついた顔をした。
そう。
夜来家の母は、仕事が忙しくあまり、いや、すごく家を開けることが多い。
行きたくない学校に行かなくてもいいよ。
大切で1番信じている優希にそう言われたら、
星衣が学校に行かない理由になったのだ。
くるっと学校へ行く道を背にして星衣は歩き出した
そして、よくも悪くも
星衣の狂った歯車は
『ガチャガチャ』
とおかしな音を立ててまわりだした
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。