さよなら、大好きだったよ。
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覚えてる？小さい時の約束。

「ねぇぐく、大きくなったら付き合ってね」
『うん！約束だよ』

覚えてるわけないよね。
てか覚えてないからこうなってんのかな。
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最近なかなか遊んでくれなかったのにいきなり家に呼ばれた。

好きな人の部屋に入れて嬉しいよ。でも…

あの棚に置いてたフィギュアも、机にいつも置いてたトロフィーも私と撮った写真もなくなってる。

アクセサリーなんて興味なかったくせに何ちゃっかりアクセサリーコーナーなんか作ってんの。

この部屋も、女物の香水の匂いがさっきからずっとしてる。

あぁ…彼女ができたんだ、きっと。

私の勘は嫌な時ほど当たるんだ。
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「いきなり部屋に呼ぶなんて、どうしたの？」

やめて、そんな深刻そうな顔しないで。

『話があって…あのさ、俺、』

言わないでよ、

『彼女ができたんだ』

ほらね、当たった。

でも今更何言っても無駄かな、

今日で最後だから私に時間をちょうだい。

「ねぇぐく、昔した約束覚えてる？」

『約束…？』

「うん、大きくなったら付き合う約束」

『あ、、あったね、』

「あの時から私の気持ちは変わってないよ」

「ずっとずっと好きだった」

『え、ほんとに、？』

「あれ、バレてると思ってたのにな」

どうしてぐくが悲しそうな顔するの。

『そうだったんだ…ごめん…ごめんね』
『俺みたいなやつのこと好きでいてくれてありがとう』

だめだよ。泣いちゃだめ。ぐくの記憶に残る最後の私はかっこよくいないといけないんだから。

「なんでぐくがそんなに悲しんでんのよ」

『だって…申し訳なくて。』

ぐくのそんな優しいところが好きだよ

『ほんとにごめんね…ほんと…あぁどうしよう。』

ぐくの無条件に人を想える心が好きだよ

でもそろそろ終わろうか。
いつまでも引っ張れないから＿

「謝らないでよ。私が惨めになる。」

『え、？』

「ぐく、私が一番大切にしてるもの知ってる？」



「自尊心だよ。」


「だからもう謝らないで、私をこれ以上ダサくしないで。」

『………やっぱりお前はかっこいいよ、、』

「いつまでもグダグダなんてしてられないから」

『ほんとありがとう。』

「なにがよ、 …あーあ、最後にキスのひとつでもしてもらおうと思ったのに…やめたやめた。」

「私そろそろ行くね」

『あ、、うん。わかった』

「じゃあ…ばいばい」

『ねぇ！…あのさ、幸せになってね』

「言われなくてもなるって」

『だよな。じゃあ…な。』

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さよなら、大好きだったよ。