あなた『いらっしゃいませー』
「………そっくりだ」
あなた『は?』
安井『いらっしゃいませー……あ、父さん』
あなた『あー…』
「あなたちゃんだよね…?謙太郎から話は聞いてると思うけど…まるで出会った時思い出すなぁ」
あなた『はぁ…』
安井『母さん可愛かったの?』
「うん、可愛かったすごく…学校で1番可愛いって言われるほどね」
安井『なるほどー、』
「あなたちゃん、よかったさ一緒に暮らさないか??今、一人暮らしなんだろ?」
あなた『絶対に嫌です。お断りします。てか今、仕事中なんでお引き取り願います』
安井『真面目だな(笑)ま、父さん今日は帰ってよ』
「そうだよな…また会いに来てもいいかな?」
あなた『お母さんを捨てた人とは会いたくないです』
「………ッ。そうなるよな…ごめん。もう来ない」
安井『別に父さんは捨てたわけじゃないんだけど。お母さんがまだ若かっただけで』
あなた『………好きな人と一緒になるには歳も関係ない。その時あなたのお父さんかお母さんが働けば一緒になる可能性はあったはず』
安井『そうだけど…』
あなた『それに私はお母さんからあなたの存在も聞いてなかった。捨てられたんじゃない?』
安井『…………ちがう!捨てられてなんかない!たまに…月に1度は会いに来てくれてた…』
店長「どうしたー?急に大声だして」
あなた『なんでもないです!すみません!』
店長「はーい」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。