北海道で過ごすクリスマスは二度目だ
今年は私も流星も、家にいた
人数が増えた住友家では、ちゃんとクリスマスツリーを飾り、由香里が豪華な食事も作ってくれた
スミレまでもが、パーティ用の帽子でおしゃれしてる
泰弘は嬉しそうにクラッカーを鳴らし、はしゃいでる
なごやかな空気の中、私ひとりが、ぼんやりと食事をしていた
さすがに泰弘が気づいたようだ
私は箸を置き、改まって家族ひとりひとりを見る
そうだ
言うなら、今だ
家族が全員、私を見た
特に流星は、心配そうな顔をしている
私は、思い切って切り出した
泰弘は明らかに動揺したようだ
流星が気遣うように私を見ている
私は言った
納得がいかない様子の泰弘を、由香里がたしなめる
泰弘は学区りとうなだれてしまった
私は胸がちくりとしたが、決意を変えるつもりはなかった
みんな黙り込んでしまい、スミレだけが、寂しそうにクーンとないた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。