第59話

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2018/11/04 01:32
北海道で過ごすクリスマスは二度目だ
今年は私も流星も、家にいた
人数が増えた住友家では、ちゃんとクリスマスツリーを飾り、由香里が豪華な食事も作ってくれた
スミレまでもが、パーティ用の帽子でおしゃれしてる
泰弘は嬉しそうにクラッカーを鳴らし、はしゃいでる
なごやかな空気の中、私ひとりが、ぼんやりと食事をしていた
さすがに泰弘が気づいたようだ
泰弘
あなたちゃん、どうしたの?
あなた

うん…………

私は箸を置き、改まって家族ひとりひとりを見る
そうだ
言うなら、今だ
あなた

あのね。みんなに、話があるの

家族が全員、私を見た
特に流星は、心配そうな顔をしている
私は、思い切って切り出した
あなた

…………あたしね。東京の大学受けようかと思って

泰弘は明らかに動揺したようだ
泰弘
な、なんで。だって、家から通える場所にするって、そう決めたでしょ
あなた

………うん

流星が気遣うように私を見ている
藤井流星
あなた………
私は言った
あなた

お母さんが独りになっちゃったから

泰弘
そ、そんな
納得がいかない様子の泰弘を、由香里がたしなめる
流星の母(由香里)
お父さん
泰弘は学区りとうなだれてしまった
私は胸がちくりとしたが、決意を変えるつもりはなかった
あなた

お父さん、ごめんね

みんな黙り込んでしまい、スミレだけが、寂しそうにクーンとないた

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