第6話

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2018/08/03 20:16
選択科目は美術ではなく、音楽を取った
音楽室での授業は、先生の伴奏で合唱の練習だ
私と雪音、真緒や愛永も一緒に歌う
でも、望だけは眠そうに口パクだ
それでいいのかい、と横目で見ていたら、案の定、音楽の先生に注意された
小瀧遙
小瀧君、ちゃんと歌って
すると、生徒達がクスクスと笑い出す
中には「ちゃんと歌ってぇ」と先生の真似をしてからかう男子もいる
小瀧望
うるせぇな
と望は反抗的で、言うことを聞かない
私の横にいた雪音がこっそり教えてくれた
青木雪音
遙先生って、望のお姉さんなんだよ
私は驚いて、音楽の教師……小瀧遙を見る
あなた

へぇ、そうなんだ

まるで、似ていない
遙はほんわかした感じの、話し方や佇まいが上品な女性だ
柔らかそうな素材のブラウスがよく似合っていて、いかにも音楽の先生という感じ
とても、あの猛獣男の姉だなんて思えない
それに、年齢は二十七歳だと言うから、ずいぶんと年の離れた姉弟ということになる
あくまでも教師として弟を注意してから、遙はまた全体を見回して言った
小瀧遙
じゃあ、続きから
女の子たち
はい
小瀧遙
いち、に、さん、いち
遙がピアノを弾きだし、再び一同で歌い出す
私はふと、流星の様子が気になった
流星はやけに真剣に、遙を見ているのだ
大あくびをしながら、面倒くさそうに歌っている望とは対照的に
私は無意識のまま流星を見つめてしまい、そんな私を無表情で見ている雪音には気づかなかった

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