第52話

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2018/11/02 07:54
私はバカだ
恋なんて、力業でどうにかなるかと、思っていたのだ
だから、関係のない神山を巻き込んで、最終的に、不愉快な思いをさせてしまった
どうにかなんて、なるはずがないよ………
放課後
私は、学校のトイレで、鏡に映る最悪な顔の自分を見つめていた
どうしたらいいのか分からない
分かっているのは、自分は最悪だってこと
せめて、自分にだけは正直に言ってしまおうか
鏡の中の自分を見つめながら、考える
そうだよ
自分にね
まず、自分にね
さあ、言うよ?
(望が、誰かのものになるなんて、寂しいよ!)
涙がにジム
でも、泣くわけにはいかない
うん、ここは学校だから
私は重いため息をつき、鏡の中の自分から目を背向けると、トイレから出た
するとそこに、待ち構えるようにして、雪音が立っていた
あなた

雪音………

雪音は、挑むように私を見ている
青木雪音
あなたに話があるんだ
あなた

え?

青木雪音
あたしさ、望と別れたから
私は驚き、ただ、黙って雪音を見つめる
雪音は真っ直ぐな、大きな瞳で、射抜くように私を見た
青木雪音
あなたは?あたしに話、ないの?
何を?
どんな話を?
どんな顔で?
私が黙っていると、雪音は携帯を取り出し、画面を私に突きつけるようにする
神山からのメールだ
神山智洋
『ダメだった。あなたちゃんには好きな人がいるみたいだね。青木は気づかなかった?』
雪音は携帯を引っ込めて、さらに聞く
青木雪音
好きな人って誰?あたしは何も知らない、だってあなたは、何も言わないから!
雪音の真っすぐな瞳
ああ。もう、ごまかせない………ごまかしたくない
雪音のことも、自分のことも

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