第25話

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2018/08/13 10:35
私は、七月生まれで、流星は一ヶ月遅い八月生まれ
だから流星は私の弟ということになるのだろうか
本当に複雑だ
好きな人が、義弟になってしまうとは
この日の朝も、私があくびをしながらドアを開けると、向かいの部屋のドアも開いて、そこから流星が出て来た
流星もあくびをしながら、
藤井流星
おはよ
と言う
あなた

お、おはよう……

私は慌てて寝癖を直す
いや、こういうことにも慣れなくてはならないのだ
リビングへ下りてゆき、スミレのお皿にご飯を入れるのも私だ
泰弘
ごはんにしよぉ
全身から幸せなオーラを放ちながら、泰弘が声をかける
流星が、
藤井流星
はあい
と返事をして、四人で食卓に着いた
流星は、私の隣の席だ
泰弘が感動のあまりか、目をキラキラさせて食卓を見渡す
泰弘
うわぁ、なんか凄いなぁ。朝からこんな和食のご馳走が食べられるなんて!
トーストばかりだった朝食は、ご飯とお味噌汁、ジャガイモの煮物や、アスパラやニンジンの温野菜など、見た目も綺麗な栄養満点のメニューに変化した
泰弘が感動するのも当然だし、私だって、なんだか嬉しい
それから、泰弘の「せーの」に続いて、
四人
いただきまぁす
と四人で声を揃えて、食事が始まった
流星が、
藤井流星
あなた、それ取ってくれる?
などと私に頼む
あなた

え、あ、うん

私は自分の目の前にある、三種類のソースが盛られた皿を流星に渡す
藤井流星
ありがと。あなた、アスパラをここにつけて食べるの。おいしいよ
あなた

へえー

私は言われたとおりにして食べる
味噌マヨネーズが、確かに、新鮮なアスパラにぴったりだ
あなた

ん!おいしい

由香里がほっとした顔をした
流星の母(由香里)
いける?あー、よかった!
泰弘は、もうどんどん、幸せそうな顔になってゆく
泰弘
おしゃれな食べ方知ってますねー。すごいなぁ
新しい中野家の食卓は、笑いと幸福で満ちている
スミレも、ワフッと嬉しそうに尻尾を振っている
家族かよ!とツッコミを入れたくなる気持ちと、なぜか割と自然に受け入れちゃっている気持ち……はざまで揺れる、私の乙女心なのであった

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