放課後。
今日は、伏見さんと追跡をする日だ。
1軍が楽しそうに喋っている。
____これから追跡されるとも知らずに。
左から、廣中円香、斎藤春美、永野百合。
どいつも1軍の女子だ。
そして...
1軍の円の中央に立つのが、1軍 兼 女王。
女王、廣中円香、斎藤春美が帰った。
...さて。永野百合。
一人になったことを後悔しな。
追跡中、伏見さんが小声で私に話しかけた。
間違いなく、1軍 永野百合だ。
永野百合が一人になった後、私と伏見さんは
そいつを追跡した。
____その結果がこれ。
本当、笑える。
だって、一人で帰ったと思ったら、急に電車に
乗り始めて、挙げ句の果てにはメイドカフェに
入ってひたすら「ご主人様~」とか言ってる
んだもん。
笑えない訳がない。
私はスマホを手に取り、メイドカフェの外から
永野百合をカメラでとらえる。
どうして写真なんか撮るのか。
きっと、そう言いたいんだろう。
伏見さんは馬鹿だね。
この状況で写真を撮らない馬鹿なんている?
だって、女王を落とすんでしょ?
だったら、周りの1軍も落とさなきゃじゃん。
だから...
私は笑った。きっと、醜い顔だろう。
すると、伏見さんが考えだした。
この人は、本当に女王を落としたいの?
私は手をひらひらと振って、その場を去った。
何か、明日が楽しみだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!