第30話

30話
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2020/06/02 08:09
日に日に学校に行くのが退屈になる。


最初からどこか心の中で分かってたんだ。

EXILETRIBEに女なんていらない。
GENEに女なんていらない。って。

ろくに学校も行けてなかった私に友達なんて出来るわけないんだ。
今日もまた始まる地獄の日々が。

いつものように下駄箱を開ける。
あなた

あれっ?上履きがない…。

横目で見て笑っている2人の姿が目に映った。
今更仲良くしようとは思わない。
あなた

上履き、どこ?

さき
さき
そんなの知るわけないじゃん。笑
まゆ
まゆ
私たちのせいにしないでくれる〜?笑
取り合っても仕方がない。
教室に向かうと、私の椅子の上に画鋲が沢山入った上履きがあった。
さき
さき
あれっ〜?
私たちのせいにしたのにここにあったね〜?
この子らだって分かってるのに、強く言えない。

先生も周りの子達も気付いてるのに言えないのには訳があった。

2人の親は都の知事であり、2人の親に言われると学校を辞めさせられるかもしれないからだ。








昼食時。
バサッ
まゆ
まゆ
ごめんね〜。
手が滑っちゃって。笑
さき
さき
これじゃあ折角龍友君が作った料理も無駄だね〜!!
まゆ
まゆ
まず、こいつに食べられるなんて可哀想!!
言い返したくてたまらなかった。

龍友君が朝早くに起きて作ってくれたお弁当。
私の好きな物だけ入れてくれたお弁当。

でも、言い返せなかった。
私が言い返すことによってGENEの名前に泥を塗るのは嫌だった。
さき
さき
ははっ!!
言い返してみなよ〜!!
今はSNSっていう便利なものがあるけどね〜笑
学校では一言も話さなかった。

それでも家では明るく振舞って、
皆が学校の様子を聞いてくる時には思い描いていた学校生活を話した。
数原龍友
数原龍友
あなた〜。
今日のお弁当美味しかった?
あなた

そりゃもちろん!!
美味しかったよ〜。

中務裕太
中務裕太
学校はどうなん?
楽しい?
あなた

めっちゃ!!
今まで行けなかったのを後悔するぐらい!!









そんなある日の事だった。








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