バスに全員が乗り込んで発車したところでHIROが話し始めた。
そう言って車をおりるHIRO。
しばらく沈黙の間が広まったあと。
みんな口口に嬉々を述べているのにあなたは浮かない顔をしていた。
俺は亜嵐君に負けたくない。
亜嵐君があなたの事を好きってわけじゃないのに。
何か嫌な予感がして。
だから勇気出して聞いたんだ。
なに、俺が原因?
あなたはうつむき加減に、
そうだった。
昨日俺が意味もなく怒ってから一言も話してないんだった。
元々俺が悪いのに素直に謝れない。
可愛いやっちゃなこいつは。
なんだか倒れた時と同じような感じ。
そんなこと心の隅で思ってたら。
あなたは俺に抱きついてきた。
自分の顔を見てるわけではないのに顔が真っ赤なのはわかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。