第24話

24話
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2020/05/20 05:16
ガチャ
佐野玲於
佐野玲於
ごめん、いきなり。
片寄涼太
片寄涼太
いや、何となく来るかなって思ってたよ。
俺があなたの事を密かに思ってるのを知ってるのは涼太君だけ。
佐野玲於
佐野玲於
俺、あの時に俺も好きだって言えばよかったかな。
少し後悔してる。

俺も応援するよなんて言って。
片寄涼太
片寄涼太
そんなことないんじゃない?
亜嵐君は思いを伝えないって言ってたし。
それより事務所内恋愛禁止のこと忘れてたよ。
佐野玲於
佐野玲於
でもそれって、俺も伝えられないってことだよね。
この言葉に涼太君からの返事はなかった。
佐野玲於
佐野玲於
ごめん、困るだけだよね。
ありがとう。おやすみ。
涼太君の部屋から出ようとしたら、
片寄涼太
片寄涼太
俺は玲於の事応援するよ。
どんだけ王子なんだよ。

優しすぎるよ。
佐野玲於
佐野玲於
ありがとう。
そう言い自分の部屋に戻る。



みんなはすっかり寝たようでドアの小窓は暗かった。
でも、一つだけあかりが着いてる部屋がある。

あなたの部屋だ。


興味半分で少し覗いてみると、
受験勉強してたようだ。

しかしそのまま寝てしまってる。
佐野玲於
佐野玲於
こんな夜遅くまで。
あなたは私立ではなく都立に行くと言い張った。

普通に受験するって。

きっとその心の奥には俺らに金銭面の負担をかけたくないって気持ちもあるんだろうか。

そんなこと考えなくていいのにな。
佐野玲於
佐野玲於
布団かけとくか。
こっそり部屋に入って布団を肩からかける。

ノートにはたくさんの計算式。
佐野玲於
佐野玲於
何だこりゃ、さっぱりわかんねえよ。
ぱっと覗き込んだあなたの寝顔は可愛くて、幼くて。






より亜嵐君には渡したくないって言う思いが強まった。

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